哲学探偵

16:02 Mon 10.11
哲学探偵 (カッパ・ノベルス)哲学探偵 (カッパ・ノベルス)
(2008/09/20)
鯨統一郎

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::: ミステリ ::: ★★☆☆☆


哲学と競馬、そして短歌を無理やりミステリに絡ませた、こじつけミステリ?
これまでに 『邪馬台国はどこですか?』 と 『九つの殺人メルヘン』 を読んだことがあるが、この2作にも増して軽くチープな仕上がり。
連作短篇であることや、安楽椅子探偵もの、物語に関連したイラストが描かれている点など、 『九つの殺人メルヘン』 にスタイルが非常に似ている。
また、『九つの殺人メルヘン』 では、グリム童話とミステリの融合でしたが、本書では、哲学(哲学者の名言)とミステリです。
シリーズものなのかはよくわかりません。


8篇の連作短篇のタイトルには、有名な哲学者の名言がつけられている。
当然ですが、それが謎解きの鍵になっているわけです。
あらすじは、難事件を担当する特捜班のメンバー、警視庁の高島警視と久保主任は、捜査に難航する度に競馬場に訪れる。
そこには、事件の内容を聞いただけであっという間に、真相を突き止めてしまう哲学探偵がいるからだ。
哲学探偵(謎のおっさん)は、その名の通り、哲学をヒントに事件を解明していく。

事件が起きてから解決するまでの流れは、事件の捜査過程を説明後に、捜査官は競馬場に赴き、競馬関連の薀蓄と短歌の紹介をする。
そうこうしているうちに哲学探偵が現れ、哲学の薀蓄を披露がてら謎解きが始められるというパターンを8回繰り返すわけです。
形式的に進められていく展開(無駄な描写は一切カット)と、赤川次郎の作品でみられるようなアクロバティックなトリックのミステリに、サクサク読めるライトな文章は、 “哲学” という難解なものに抵抗感がある人にとっては、極めて読みやすい。
哲学というタイトルを見ただけで尻込みしそうですが、読んでみると全てにおいてシンプルにまとめられているので、哲学もミステリも初心者という人にもお薦めできそうです。
ただ、哲学探偵にしても、警察官の2人にしても、キャラクターがまるっきり魅力に欠ける。(笑)
それと、薀蓄系ミステリの宿命でもあるが、ミステリでありながら謎解きが腑抜けなものが多いこと。
“こじつけ” と云われても致し方ないでしょうね。
哲学にも競馬にも短歌にも全く興味が無いミステリバカには、物足りなさ120%な作品。















※ これ以降ネタバレしてます。








































薀蓄ミステリは好きです。
好きですけど、何で、3つも無理やり入れる必要性があるのかわからない。
哲学探偵なんだから、思う存分哲学を薀蓄ればいいじゃないかと思うのですが。。。
個人的には、哲学には興味があるので楽しめましたけど、事件との絡みが強引というか、事件そのものもそうですが、かなりこじつけ感は否めない。
それと、哲学の薀蓄はもうちょっと簡単にして欲しかったかなぁ。
簡単な言葉を使っていても、文章全体としての意味がわからなかったりする。
身近な事柄を例にして説明してくれた方が理解しやすいと思う。


疑問に思うのが、何故、謎解きが競馬場でなければならないのか、とか、短歌の必然性だったりする。
競馬場に関して言えば、1話目では、1月に行われる中山金杯というレースに始まり、2話目では皐月賞、以降、優駿牝馬、日本ダービー、菊花賞、天皇賞、ジャパンカップ、有馬記念と、年間を通して行われるメインレースを取り上げている。
哲学探偵が競馬好きというのもあるが、おそらくエラリー・クイーンの短編集 『犯罪カレンダー』 のパスティーシュンなのかなと。
それが競馬に関連する事件だったら、尚良かったのかもしれないですが。。。
ただ、競馬やレースに関する薀蓄は、競馬音痴のわたくしには勉強にはなりました。

微妙なのが、短歌です。
刑事の久保が、競馬場に来る度に、短歌を詠みあげる。
彼は事件の様相からインスパイアされて浮かんだ歌を口ずさむのですが、その歌人も歌も全く知らない。
高島警視のように、 “誰です?” 状態。(笑)
しかも、どういう意味なのかもわからない。
歌人の説明するならついでに詠んだ歌がどういう状況で作られて、どんな意味があるのかくらい教えて欲しい。
個人的には、事件の様相を詠んだ短歌だったら面白かったんですけどね。。。
短歌で謎掛けして、哲学で解答されるミステリってのもすごいじゃないですか。(笑)

本書は今後シリーズ化するつもりがあるのでしょうか?
哲学探偵は何者なのか、結局謎のまま終わってしまいましたが。
続きがあるとしても、さすがに競馬場は無理でしょうね。
1年間の主なメインレースは取り上げてしまいましたからね。
競艇とか競輪になったらちょっと引きますけど。。。(笑)





特筆すべき内容ではないのですが、一言だけ。



・第一話 世界は水からできている(タレス)

水割りのグラスを被害者自身が入れ替えた事を示す証拠として、テーブルについた水滴を哲学探偵は指摘してますが、一度、グラスをテーブルに置くという行動が解せない。
2つのグラスを入れ替える場合、両手に持っていっぺんにやりませんかね?
片腕しかないとか、片腕をケガしているといった理由ならわからなくもないが。。。



・第二話 汝自身を知れ(ソクラテス)

名前の漢字の成り立ちから被害者には兄弟がいるのでは!? と双子説を唱える点は、ミステリ作家らしい伏線。
ただ、金田一京助くらいしか気づかないのと、あからまさな双子トリックがいまひとつ。。。



・第三話 われ思う、ゆえにわれ在り(デカルト)

何とも赤川次郎の作品っぽい人物の入れ替えトリック。
殺害現場のトイレから変装して出て行く犯人の描写が何ともわざとらしく、こいつ犯人じゃね?と突っ込む始末。(笑)
駅のトイレの個室で人を殺すのはかなり難易度が高い上に、犯人は“掃除中”といった立て札や掛け札を用意してないなど、100%運に頼った犯行なのに、100%実行できちゃうご都合主義な展開。



・第四話 人間は考える葦である(パスカル)

女性を殺害し、341もののパーツに遺体をスライスして、山奥の湖に遺棄するという猟奇事件。
百歩譲って、冷凍庫や341個に人間をスライスする機械があり、誰にも気づかれずに人間を殺害し、人間の冷凍薄切り肉が完成したとしよう。
完全犯罪を達成できるにも関わらず、何故犯人はスライスした遺体を一纏めに袋詰にして湖に遺棄したのか??
激しく疑問です。
バラバラにした意味がないじゃん。



・第五話 純粋理性を求めて(カント)

死の三日後に出された犯行声明が、殺人の証明となった事件。
変則的なアリバイものという感じ。
犯行を隠したい一心で、逆に目立つ行動をしてしまうという、おてつき犯罪者は現実でも多いですよね。
黙ってれば事故死として処理されたかもしれないのに。。。(笑)



・第六話 厭世主義〈ペシミスト〉の暴走(ショーペンハウアー)

気功で殺人?'`,、('∀`) '`,、
腹痛と肩凝りくらいなら治りそうですけどね。。。



・第七話 神は死んだ(ニーチェ)

小学生が粘土で作った生首をタイプカプセルに入れる図は、想像できませ〜ん。
いたずらの度合いがかなりマイナス方向に向いてます。(笑)
っつか、普通、タイムカプセルに物を入れる時はみんなで集まって入れません?
みんなが見てる前で、さすがにニセ生首は入れらんねぇなぁ。



・第八話 存在と時間の果てに(ハイデッカー)

電話の子機を携帯電話のように使うというアイデアは良いけど、既存のトリックな気がする。
子機の電波がどこまで届くのかもよくわからないですし。
問題は、店に置いてある電話がどういう電話機なのかの説明がなかった(と思う)こと。
子機がついているような住宅用の電話機であるとか、公衆電話タイプのものなのか、など。
しかも本篇の扉絵には、昔なつかしダイヤル式の黒電話機が描かれているのはフェアではない。









(  ゚_ゝ゚) { 『人生と、事件の謎と、競馬場。』 ソースが絡まってないパスタ。









このライトノベルがすごい! SIDE-B

01:31 Fri 07.11
このライトノベルがすごい! SIDE-Bこのライトノベルがすごい! SIDE-B
(2008/08/07)
このライトノベルがすごい!編集部

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::: 書評 ::: ★★☆☆☆


ランキング形式の年度版は、総括的な内容であるのに対して、本書(SIDE−B)は人気作品、キャラクター、イラストレーターなどをさらに踏み込んで掘り下げた内容になっている。


本書では、 『フルメタル・パニック!』 と 『文学少女』 のシリーズを特集している。
この特集記事は構成も内容も充実しており、良く出来ていると思う。
これを年度版でやってくれれば、読み応えがあるというもの。
『フルメタル・パニック!』 に関しては、一度も読んだ事はなく、おそらくこれからも読まないであろう作品ではあったが、既刊作品の詳細な紹介は丁寧で、読みやすい。
『文学少女』シリーズは、本編で取り上げられた文学作品を簡単に紹介するという企画。
企画も構成も非常に上手いので、読んでみようかなという気にさせられる。
また、年度版で発表されるランキングもシンプルに紹介されており、とても見やすい。

ページ半分までは、高評価と思える内容なのだが、後半の 「LOVEこそすべて!!」 というページから最悪である。
“いらない” の一言です。
折角、いつになく本書を褒め称えているのに。(´ー`)┌
最後の作品ガイドもわけのわからんジャンル分けで、非常にわかりづらい。
作品ガイドは、年度版の方が良い。
本書前半のような特集ページと、年度版の作品ガイドだけあれば事は足りる。
その2つが合体した雑誌にして欲しい。
そうあれば、資料価値としての評価も高くなり、本棚に置いてあってもいいかなと思えるのに。。。








(  ゚_ゝ゚) { 『ライトノベルの“恋愛”と“エロス”』 (笑)







テーマ : 読んだ本。 - ジャンル : 本・雑誌

『アリス・ミラー城』殺人事件

00:38 Fri 07.11
「アリス・ミラー城」殺人事件 (講談社文庫 き 53-3)「アリス・ミラー城」殺人事件 (講談社文庫 き 53-3)
(2008/10/15)
北山 猛邦

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::: ミステリ・ファンタジー ::: ★★★☆☆


2004年版 『本格ミステリ・ベスト10』 で17位という中途半端な位置にランクインした作品。
“城”シリーズの3作目にあたり、講談社ノベルスとして刊行。
2007年から順次文庫化されており、その都度図書館でお借りして読んでいる。

過去の2作品と本書を読んで、やっとこ著者の作風というか、スタイルが掴めてきた。(笑)
とにかく著者はオリジナリティだけは、強烈なインパクトを持っている作家ではあります。
ただ、それが読み手の感性と合いづらいのではと思う。
存命中は全く評価されないが、死後、偉大な芸術家として評価されるようなタイプ?(笑)
人を選ぶ作品、作風ではある。

わたくしは、1作目(『クロック城』殺人事件)を読了後、2作目(『瑠璃城』殺人事件)を読む時点で、かなり用心してというか、石橋を叩いて読んだつもりだったのですが、ことごとく裏をかかれてます。
それは、本書(3作目)でも教訓とはならずに、もう、完敗です。(笑)
予想に反したというか、予想を上回る攻撃には手も足も出ません。
おそらく、4作目も読者の思い通りにはならない作品になっていることだろう。
もう読まずに敗北宣言しておきます。


著者にしても、作風にしても、とにかく掴み所が無いといった表現が一番適当かと思う。
バカミス? と思いきや、ミステリに対する知識や見識は高く、不真面目(本格ミステリを嘲笑するような)にミステリを書いているわけでもなさそうなんだ、これが。
古典的な本格ミステリを書くだけの技量はあるぜ、ってそこはかとなく主張しているのに、読者の期待をあっさり裏切ったりする。
しかも、裏切られても、また読んでしまいたくなる不思議な魅力満載だから困るんだよ、これが。


本書では、孤島に立てられた妙ちくりんなアリス・ミラー城に、探偵達が一同に集められる。
城のどこかに隠されていると云われている “アリス・ミラー” を探し出すためだ。
しかし、何者かによって1人、また1人と探偵達が殺害されていく。。。
城(館)に、孤島、そして、アガサ・クリスティの 『そして誰もいなくなった』 を彷彿とさせる世界観。
密室殺人に、バラバラ殺人。
古典的な本格ミステリに必要なガジェットは整っている。
さらに、メフィストらしい(?)、ちょっとイっちゃてる系の探偵達。
これは普通に、新本格っぽいミステリやっちゃうのか? と期待も膨らむ。
読み始めは、登場人物達の名前に悪戦苦闘しながらも、じょじょに物語に引き込まれていく。
前の2作に比べるとかなり面白い!
おぉ、これは久々のヒットとなる作品か? などと、手から放たれた風船のごとく高く期待も舞い上がる。
しかし、もうちょっとで昇天かってところで、無情にもカラスに突付かれて、哀れ風船の残骸は地面に叩き付けられるわけです。(笑)

何故、何で、どうして、クライマックス(謎解き)で、あんなにも読者は叩き付けられなければならないのか。。。(´ー`)┌
脳みそ真っ白、目が点、お口ポカァ〜ン、ですよ。(笑)
あの一瞬、わたくしは間違いなく廃人になってましたね。(´ー`)┌
あの真相を膝を叩いて納得する読者っているのだろうか?
それとも、著者は盛り上げ過ぎちゃって、どうにもこうにも結末を収束できなかったのだろうか?


衝撃のというか憤激の結末の本書に、わたくしは何故、星3つという大サービス(とうとう狂ったか?)なのだろうか。
確かに、ひどい結末ではあるよ。
だけど、そこに至るまでの謎と論理(強引だが)は、それを凌駕するだけのものはあったと思う。
著者の十八番でもある独創性(=非現実性)の際立つ物理トリックも楽しませて貰った。
さらに、本格ミステリにおける物理トリックに対する考察なんかは、必読の価値はある。
また、本書ではルイス・キャロル原作の 『不思議の国のアリス』 、 『鏡の国のアリス』 をモチーフにしており、文学ミステリとしての面白さも兼ね備えている。
多角的な方向から読める。
ただ、結末がいただけないだけ。。。
星4つ、5つになり得るだけの作品だっただけに、何とも惜しい。














※ これ以降ネタバレしてます。







































ミステリ小説でありながら、ミステリの評論としての役目も兼ね備えている作品という印象を受けました。
登場人物達が、物理トリックについて議論するシーンなど興味深かったです。
物理トリックをメインにこれまで作品を発表してきた著者の自虐的ともいえる私見。
“自虐的” というのが、本書でのテーマかとさえ思える。
古典的様式のミステリに対して、キャラクター小説に対して、そして、非現実的な物理トリックに対して、徹底的に風刺している。

本格ミステリでは、フーダニットやハウダニットは、とても重要な要素であり、そこに論理性を求める。
論理的であるからには、読者に対してフェアでなくてはならない。
この根幹ですら、本書では滑稽にしてしまっている。
あれだけ本格ミステリらしい道具立てをしておきながら、登場人物達も読者も知らない人間を犯人ですと登場させるのだから。。。
お口ポカァ〜ンにならない方がどうかしている。
その犯人の殺害動機も狂気の沙汰であり、どこかのテロ思想を持った宗教団体の教祖レベルです。
酸性雨で破壊された土壌を正常化させるために、人間の体(組織)が欲しかった、とか、環境破壊の元凶である人間の数を減らす、なんて動機で殺されるのだから。
これまで読んできたミステリの作品でも、殺人犯の動機が軽視されがちなものはたくさんあったが、その中でも本書はワースト3に入りそう。
酸性化した土壌を中和するのに人間じゃなくたって、動物だっていいし、中和剤を科学的に作れるんじゃないのとか、普通考える。
ターゲットとなった人選も、何故、探偵でなくてはならないのか?
人間を減らすことが目的なら、女性を優先的に殺した方が手っ取り早いはず。
何より、密室殺人にする必要性が全く無い。
探偵達を個別にしとめる為の囮(罠)という理屈も苦しい。
バラバラ死体の利用法なんて、ピタゴラスイッチかよっ! と突っ込まずにはいられない。


これもそれも全部ひっくるめて、著者の計算なわけです。
これも1つのミステリに対する愛情表現と思いたいです。
いつか、20年後くらいに再読してみたいです。
その時には、何でこの本に星3つなんやろ? と違った意味で、お口ポカァ〜ンになっているかもしれませんが。(笑)








(  ゚_ゝ゚) { 『物理トリックの歩んだ道は強現実への服従と敗北だ。』 “現代人の失っているもの。それは静かで激しい拒絶だ。” っていうのを思い出した。







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書店はタイムマシーン 桜庭一樹読書日記

23:09 Mon 03.11
書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記
(2008/10)
桜庭 一樹

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::: エッセイ・書評 ::: ★☆☆☆☆


読書日記の第2弾です。
相変わらず、ガイド本として役に立たない本でした。
著者のファンだったら読み応え十分なのかもしれなが、そうでない読者にとっては日記部分は余計でしかない。
むしろ邪魔。
それに全体的にごちゃごちゃし過ぎで読みづらい。


著者の半端でない読書量はすごいし、様々なジャンルの本をも読破している点も尊敬に値する。
作家らしい表現力のある文章で、著者独自の視点で書かれた感想も必読の価値はありそうだ。
ただ、取り上げられた本の大部分が読んでみたいと思わない。
なんでだろ。。。?
単純に、著者とわたくしの感性(本の趣向)が、真逆にあるということなのだろうか。。。(´〜`)

しかし、読書時間の速さと、理解力と、記憶力は、普通を超えてます。
一日観察したいほどに、その生活ぶりを見てみたい気にはさせます。(笑)
あまりにも尋常でないので、本当に著者自身が読破しているのか?
懐疑的になってしまうのです。
優秀な編集者がいて、彼らが寄ってたかって紹介する本のあらすじや結末を著者に教えてあげさえすれば、プロの作家ならそれなりに魅力的な感想は書けるような気もする。
ヤラセの臭いがプンプンする。。。






(  ゚_ゝ゚) { 『作家サクラバカズキは稀代の読書魔である。』 勝手に読みさらせ、その2。







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禍記 マガツフミ

23:00 Mon 03.11
禍記 (角川ホラー文庫 (Hた1-3))禍記 (角川ホラー文庫 (Hた1-3))
(2008/09/25)
田中 啓文

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::: ホラー ::: ★☆☆☆☆


田中作品は本書で2冊目です。
前回は、本格ミステリ 『落下する緑』 を読了。
そして、今回はたまたま、角川ホラー文庫より本書が刊行されたので、図書館でお借りしました。
著者の作品が特別好きというわけでもないのだが、ホラーや、神話、民俗学といったものが好きでして、本書は、「禍記」という謎の古史古伝を巡るホラーということだったので、興味深かったのですが。。。

読後の感想は、この手の作品は二度と読みたくないです。。。
内容が悪いとかそういう問題じゃなくて、とにかく、気持ち悪い! グロい!
わたくしはホラーは大丈夫なんですが、グロはダメです。。。本当にダメです。
得体の知れない気味の悪い生き物が出てくるとか、食用でない生き物を食べるといった、シーンやシチュエーションは受け付けません。
グロいのが苦手な方は読まない方が無難でしょうね。。。
わたくし、本書を読んでしばらく食事が不味かったし、思い出してたまに吐きそうになった。。。。゚(゚´Д`゚)゚。

著者は、本格ミステリやSF、落語、そして本書のようなホラーといった幅広いジャンルで活躍している方で、神話や民俗学にも精通しており、そういう観点では本書は大変評価出来る。
けど、これをミステリでやって欲しかったなぁと、つくづく思います。
横溝っぽいミステリだったら面白かったのにと残念。
また、古代史や民俗学をベースしながら、意外性ではSF的な発想が光る。
過去と未来が融合された独自性のあるホラーに思う。

しかし、わたくしの評価が著しく低いのは、グロに対する怒りです。(笑)













※ これ以降ネタバレしてます。







































あまり詳細に感想を書きたくないのですが、一言だけ。



・取りかえっ子

モダン・ホラーですね。
テレビドラマの 『世にも奇妙な物語』 あたりで使われそうです。
また、ミステリとしても楽しめる作品ではないかと思う。
産後の母親が、育児ノイローゼになっていく過程がリアルで、ある意味、物語の真相よりもそこがホラーです。(笑)



・天使蝶

天使? 妖精? とファンタジックな展開かと思いきや、人間の子供に寄生し、その栄養分を吸収しながら成長する恐ろしい蝶の話。
寄生された赤ちゃんは、愛くるしさとはかけ離れた生気を失った能面のような顔をしていそうと想像してしまい気味が悪かった。。。



・怖い目

強烈グロさ100%です。
食えないことはないが。。。想像するだけで、オエっ!
参りました。。。



・妄執の獣

わたくしはSF小説が苦手なのでわかりませんが、この手のSFホラーは既にありそうです。
珍重された毛皮の為に、人間に乱獲され絶滅したモミールアカメモモンガの復讐です。(笑)



・黄泉津鳥舟(よもつとりふね)

ザ・SF古代ミステリといった感じです。
まさか、 『古事記』 のイザナミとイザナギの神話が、SFチックなストーリーに生まれ変わって登場するとは。。。





『天使蝶』 と 『怖い目』 さえなければ、中々面白い作品なのではないでしょうか。
それと、インターバルとして、 『禍記 マガツフミ』 が3回入るのですが、これは、正直必要性を感じませんでした。
オチもインパクトが無かった。








(  ゚_ゝ゚) { 『謎の古史古伝に封印された〈人類誕生以前〉の世界とは?』 グロがあるならあるって最初に言ってよ。








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