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遠きに目ありて (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)遠きに目ありて (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
(1992/12)
天藤 真

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::: ミステリ ::: ★☆☆☆☆


脳性マヒを患い、車椅子生活の少年・岩井信一が、友人である真名部警部と共に、不可能犯罪やアリバイ・トリックに挑み事件を解決していく連作短編。
いわゆる安楽椅子探偵モノである。

1976年発表の作品。
探偵役である岩井少年が障害者で、当時の日本の社会情勢を考えると異色作でもある。

天藤真の作品には、 “ユーモア” がつきものだが、本作では影を潜めている。
その代わりといってはなんだが、微笑ましいアットホーミングな印象を受ける。
やはり、純粋に本格ミステリを楽しむというよりは、それをフィルターにした社会的テーゼを感じるからだろう。


作品の内容としては、及第点なのだろうが、残念ながらわたくし好みではない。
なので、星1つは一般的な評価から逸脱している。
短篇自体に苦手意識があるせいでもあるが、読んでいて楽しめなかったというのが正直な気持ち。
べつに異常犯罪とか、変人キャラを期待していたわけではもちろんないが、オリジナリティとか、インパクトは大切なのかなぁと思ってしまった。。。(笑)


















※ これ以降ネタバレしてます。






































作品の内容については、別段特筆することがない。
ただ、障害者が主人公というキャラクターについて言及したい。
一個人として、障害者に対する偏見や差別は持っていないと言いたい。。。というか思いたい。
真面目で正直な話だが、本当にそうか?と自問すると、きっと無意識にそういうのはあると思う。
ただ、それが悪い事だとは思っていないし、教育で思想や感情を矯正されるものでもないと思う。
何故なら、健常者だが性格がとてつもなく悪い人物や、容姿が著しく劣ることを理由に嫌悪することは、差別にあたいするのかというのと同じで、ある意味、その人の “個性” として捉えるほかないからだ。
受ける側にしても “主観” でしか感じようがない。
極論としは世の中、“好き” か “嫌い” の2択でしかなく、そのどちらでもないという選択肢は、神にしか選択権がなさそうだ。
生きるということは、いかに自分本位になれるかということであり、まず自分ありきというところから脱しない限り、聖人君子な生き方は土台無理な話だ。
ようは障害があるかないか、性格が悪いか否かでなく、好きか嫌いかなのだ。
その人を好きなら、障害があろうが、性格が悪かろうが、キモかろうが関係ないということ。
嫌いが本位なら、好きも本位。
まぁ、出来れば人としてプラス方向で本位になれたらと思いますがね。。。

本作での信一少年の描写が、正直、わたくしは好きになれなかった。
小説やドラマ、映画、アニメいろんな媒体はあるが、どんな作品でも日本の場合、美人美男の物語ばかり。。。
まぁ、フィクションだし、単一民族、視聴率とかいろんな要素でそうなっちゃうんだろうけど。
固定化されるイメージに抵抗感がある。
それと同じで、日本では障害者を美化する傾向にあり、それが鼻につく。
障害者はいつも純粋で、真面目で、健気。。。それこそ聖人君子みたいな設定はどうかと。。。
障害者だって、意地の悪いやつはいるだろうし、不純な妄想だってするだろう。。。と。
“自分ばかりが何故。。。?” っていう被害者意識だって根強いはず。
障害は苦になりませんとか、障害があって逆によかったとかたまに言う人がいるが、こういうのとはわたくしは友人にはなれないですね。
そんなわけないじゃん。
誰だって健康で生まれたいし、健康で生きたい。
苦しいけどそれを受け入れようと、受けとめてもらおうともがいて戦ってる人の方が信頼できる。
そういう意味では、もっと障害者の本音を作品で語って欲しかった。
障害者を取り巻く環境を非難することなんかどうでもいい。
真名部警部の障害者に対する思いの代弁なんか意味がない。
作者や、読者に都合の良い障害者像なんて問題外だ。
わがままに映ろうが、贅沢だと思われようが、障害者自身が主張しない限り何も始まらない。
障害者だけでなく、健常者にも “喝” を入れられる作品にならなかったことが残念でならない。


ミステリの部分にしても、障害があるからこそとか、車椅子の生活だからこその視点などがあれば、面白いのだろうけど、普通に安楽椅子探偵してるだけで驚きがない。
障害はデメリットばかりじゃないという希望を示してくれるだけで、読み手に勇気だったり、視点の転換という機会を与えられたと思う。
良い作品なだけに本当に残念。。。















(  ゚_ゝ゚) { 『企んだ犯罪ほどバレてしまうと残す犯跡は多いものである。』 いらぬ疑惑を持たせてしまうってやつですね。。。









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