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ふちなしのかがみふちなしのかがみ
(2009/07/01)
辻村 深月

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::: ホラー ::: ★★☆☆☆


著者の作品は、 『冷たい校舎の時は止まる』 しか読んだことがありませんが、恩田陸っぽい作品という印象だった。
ヘヴィーな青春小説とライトなミステリが融合した作風が売りの作家だと思っていた。
本書は、 “現代の怪談” という言葉があらすじにある通り、洋風なホラーというよりは、日本の日本人の感性に近い怪談がぴったり。
そこに、著者が得意とする少年少女らのナイーブな心理を描写した短編集。


表題を含めた全5編が所収されており、“トイレの花子さん”や“キューピッド様(コックリさん)”といった、いわゆる都市伝説が題材にされているため、その手の話の短編集なのかと思いきや、ミステリ、ファンタジー、文芸風の作品も混在している。
しかも、オチがよくわからないものもあり、全体的に判然としない作品ばかり。
著者と同じ感性のチャンネルを持っている読者は少数に思う。
“怪談” は怖いと思わせるための物語だという固定観念のある人には向かない本でもある。



















※ これ以降ネタバレしてます。




























ちょこっと感想。





・「踊り場の花子」

夏休みを迎えた若草南小学校。
当直勤務の相川は、忘れ物を取りに寄りたいと電話してきた教育実習生の小谷を出迎えたついでに、一緒に校内の見回りを行うが、小谷の様子が普段と違うことに気づく。。。



ミステリタッチの階段の踊り場に出没する花子さん。
踊り場でたむろってるとは。。。不良チックな花子さんすね。
しかもこの花子さんは、ルールにうるさいようです。(笑)





・「ブランコをこぐ足」

ブランコで遊んでいた少女が地面に落ちて死亡した。
事故か自殺か、目撃していた子供たち、同級生らが少女の様子を語るが。。。




最初、読んだ時は、ピンとこなかった。
どこが怖いのかとか、これのどこが怪談なのかとか。。。
怖いというりは、ゾッとするポイントは、「アルプスの少女ハイジ」と「キューピッド様(コックリさん)」にあった。
子供の頃、ハイジを観て、コックリさんで遊んだ人はたくさんいるはず。
だけど、ハイジがブランコをこぐシーンを観て、落ちたらどうなるかを冷静に分析して観てたガキはいないはず。
っつか、アレに乗るのが夢と思っていたガキの方が圧倒的多数を占めるかと。。。
逆に、サンタクロースは信じてないくせに、コックリさんのルールを破ったら呪われるとか、口裂け女に襲われても助かる方法を必死で聞きまわったりと、都市伝説を真剣に信じてたりした。(笑)
そんな子供にありがちな感性が、負の方向に向くと、大人が予想もしてなかったような不幸な出来事が起こる。。。という怖さが本作なのかと。

ちなみにわたくしは、ガキの頃から、端からハイジのブランコには乗りたくないと思ってました。
あのパワフルな振り子運動が止まるまで、ブランコからは降りられないだろうという恐怖の方が大きかったんで。。。
本作でのハイジのブランコ乗りの分析結果は、それはそれでコエェ~と思ってしまったわたくし。(笑)





・「おとうさん、したいがあるよ」

田舎に住む認知症の祖母と祖父のもとを訪れたつつじと両親。
親戚一同が集まり祖父母の介護について、話し合いが行われた。
とりあえずは大量の衣類やゴミで汚れた家の掃除を、つつじの父親が申し出る。
週末を利用し掃除を開始するが、押入れから死体がでてくる。。。



ブラックファンタジーとしてはかなり面白い作品であることは間違いない。
ただ、何が何だが結局わからなかったと感じる人が多い作品なんだろうと思う。
S.キング風のホラーですね。

大切なものを忘れていた郷愁と罪悪。
それを死体で表現していたのかと思いました。
思い出の数だけ、思い出の場所に出現する死体。

気になったのが、タイトルが何故、ひらがななのか。。。





・「ふちなしのかがみ」

訪れたライブハウスでサックス奏者の冬也に一目ぼれする香奈子。
二人の未来を知りたいという欲求に駆られ、未来を見れるという儀式を試すが。。。



ホラー・ミステリな作品。
人の心の狂気的な恐怖というか悲哀を感じる。
認知症を患っている人が、家族の顔すらわからなくなっている。。。そんな悲しさに近い。





・「八月の天変地異」

小学生のキョウスケは、さえない同級生シンジと友だちになったことで、クラスで仲間はずれにされてしまう。。。
クラスの注目を集めようと、キョウスケは、“ゆうちゃん”という誰もが憧れるような人物と友人であると嘘をついてしまう。
しかし、誰も“ゆうちゃん”を見たことがないと、友人らに嘘がばれそうになる。。。



おそらく、本書で一番人気のある作品なのではないでしょうか。
道尾文学風の青春ファンタジーという感じです。
子供の時分には、ついつい誇張した嘘をついてしまうものです。
そして、自縄自縛に陥るのです。(笑)
それもホロっと苦い青春の一幕。










(  ゚_ゝ゚) { 『その向こう側は、決して覗いてはいけない――。』 って言われると見たくなる。







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