上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

熊野古道殺人事件 (角川文庫)熊野古道殺人事件 (角川文庫)
(2010/04/25)
内田 康夫

商品詳細を見る


熊野古道殺人事件 (光文社文庫)熊野古道殺人事件 (光文社文庫)
(1999/10)
内田 康夫

商品詳細を見る



::: ミステリ ::: ★★☆☆☆


浅見光彦シリーズ52作目。

2時間ドラマでは観ましたが、原作は未読でした。
巻末の自作解説にもありますが、本書は3つの連作短篇を、浅見光彦シリーズとして合体して、新たに書き直したものだそうです。
まぁ、ご本人いわく短篇は苦手だそうなので、良いとこ取りして長篇にした方が、作品としての質も上がるというものです。


250ページそこそこの量で、小一時間ほどで読めてしまうが、意外にも中身が濃い作品。
残念ながらミステリとしてはいまいち。。。(笑)
浅見光彦シリーズらしく、 “旅と歴史” が感じられる他、宗教観、死生観といった、人生において何かと差し迫った時にしか考えないような事も加味されています。
また、いつもはノーテンキな軽井沢のセンセの暴走っぷりや、命の次に大切な(?)浅見ちゃんの相棒・ソアラ嬢の危機(笑)など、いろんな意味で見所のあるレアな作品でもある。

昨今では、文献資料のみで書いたような遣っ付け作品が多く、残念に思っているのですが、本書のような初期作品は、精力的に取材を行っているせいか読み応えがある。





















※ これ以降ネタバレしてます。








































本書は和歌山県・熊野が舞台であり、補陀落伝説という宗教儀式や、能や歌舞伎の題材で有名な「道成寺」の安珍清姫伝説が物語に取り上げられている。
補陀落渡海というのは、即身仏と似たような捨身行で、観音(観世音菩薩)信仰が盛んだった時代に、西方の極楽浄土だけでなく、観音菩薩が住むと言われている南方の補陀落にも浄土があると考え、僧侶が身一つで船に乗り込み補陀落(海)へ旅立つという儀式。
ちなみに即身仏は、地中に埋められちゃいますが。。。。゚(゚´Д`゚)゚。
現代人からしてみれば、生きながらにして飢え死にするために航海するようなもので、自殺行為の超超荒行だ。
昔の人だって、信仰心の有無に関わらず、人間飢えれば死ぬってのはわかりきったことで、ましてや学のある坊さんが、荒行の末に浄土に行けるかどうかなんて、疑問符立ちまくりだと思う。
要は、人身御供ってことです。
本書では、そういった究極の宗教観、死生観というのがテーマの1つになっている。

さらに、能や歌舞伎の題材で有名な「道成寺」の安珍清姫伝説から、女の狂気的な情念というのが事件の動機でもあり、2つめのテーマになっているようです。


ドロドロした重い内容のせいか、さわやかな浅見ちゃんは事件の謎解きに終始し、ドロドロ担当は軽井沢のセンセが、いつになくがんばってます。(笑)
のんきな平和ボケしたセンセには珍しく、宗教観や死生観を真面目に語っている。
また、カーチェイスなんぞもやってのけ(しかも浅見ちゃんのソアラで)、おかげで浅見ちゃんのソアラは大破。(笑)
センセの事より、ソアラ嬢の安否を気遣う浅見ちゃんの動向は笑えます。


旅情観とか史実にまつわる部分は良いのだが、事件の解明という点においてはいまひとつ。
実行犯の影だけチラつかせ、自殺で幕引きというのはひどい。。。
今回の犯人は、松岡教授の妻・小百合であり、その犯行心理を清姫に投影しているのだが、登場人物の1人に含めるの? と疑問符が残る存在感無き登場シーンばかり。
ろくすっぽパーソナリティもわからないままで、女の情念だとか、妄執みたいな感情は表現できないだろう。
その小百合と不倫関係にあった岳野も似たり寄ったりの存在感の無さ。(笑)
ミステリとしては褒められたもんじゃないことだけは確かです。













(  ゚_ゝ゚) { 『たとえ泥塗れになったって、クソ塗れになったって、生きているから尊いのじゃないのか』 浅見ちゃんは犯人を死なせちゃいますけどね。。。









スポンサーサイト

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌


















管理者にだけ表示を許可する


| HOME |


Design by mi104c.
Copyright © 2017 snook. de book, All rights reserved.



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。