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六蠱の躯  死相学探偵3 (角川ホラー文庫)六蠱の躯 死相学探偵3 (角川ホラー文庫)
(2010/03/25)
三津田 信三

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::: ミステリ・ホラー ::: ★★☆☆☆


死相学探偵シリーズ第3弾。

え? まだ続けるの? と思ったのはわたくしだけではないはず。(笑)
“人気シリーズ” というふれこみにも、ちょっと待てと突っ込み入れたい気になるのもわたくしだけではないはず。
ついでだから、三津田信三は、刀城言耶シリーズだけ書いてりゃいいよと思ったのもわたくしだけではないはず。。。
この3行だけで、本書の評価は決定的なのだが、新刊が出たら出たでつい読んでしまうんですよね。(笑)
刀城言耶シリーズと比べたら読みやすいからというだけの理由ですが。。。


今回は、猟奇連続殺人鬼 VS 死相学探偵です。
シリアル・キラーの犯行目的に、黒魔術(六蠱の術)が使われるというお話。
手軽さが売りのホラー・ミステリで、読者層の囲い込みを狙いたいところですが、この手の作風で、同レベルの作品は既出のものが多い上、本書はオリジナリティの部分が地味なのが難点。
その “死相学” という専門性にしても、ただ、人の死が見えるだけという大雑把過ぎる設定故、殺人事件に積極的に探偵が絡みづらい。
読者が思うところの探偵というよりは、刑事の助手というイメージ。

さらに、ちょっとした箸休めのつもりなのか、主人公・俊一郎と刑事・曲矢や、飼い猫・ぼくにゃんとの掛け合いは、事件には関係ない上、キャラクターの魅力を引き出せるエピソードでもない。
俊一郎は、探偵業として開業した一応、その道(心霊専門)のプロの探偵であるのに、知識量に欠け、何かと祖母を頼る。
キャラクター同士の人物描写も入れたいなら、それなりにキャラクターに魅力が欲しいところだが。。。
祖母とのやりとりも含めて、水増しページとしかいいようがない。
読者の為を思うなら、中短編の作品として商売して欲しい。


死相を見るだけの知識量不足の心霊探偵という現状、当然のことながら、俊一郎は主人公であるにもかかわらず、出番が異様に少ない。(笑)
事件の概要とか、経過、事件に関わった登場人物の描写などにページが割かれ、活躍らしい活躍はみられない。
要は、安楽椅子探偵ということなんでしょうね。。。( ̄~ ̄)
それには、死相が視れるという能力の特殊性が大きくかかわっているので、しかたないのかもしれないですね。


評価したい点は、黒魔術という専門的な分野での知識ですかね。
本書では、六蠱の術を紹介してましたが、民俗学や呪術、心霊といったオカルティズム分野での著者の知識量は半端なくあると思いますから、これからどんなネタを出してくるか。。。期待はできそうです。
上手くミステリと融合出来たら面白いのは確実です。




















※ これ以降ネタバレしてます。












































ホラーもミステリもぬくかったですね。
六蠱の術の薀蓄は、興味津々だったのですが、人を5人も6人も殺すリスクを負うなら、全身整形(改造ともいう)した方が。。。なんて突っ込みたくなる動機。(笑)
それに、六蠱の術がどういう黒魔術なのかということがわかった時点で、犯人は岩野奈那江さんじゃ。。。と嫌な予感。
的中でしたが。(笑)

ミステリ部分では、動機も犯人当てもいまひとつではあるのだが、注目したいのは、事件に関わる登場人物達が、完全なるシロとはいかない点ではないでしょうか。
奈那江の母親、編集者の多崎、浦根巡査と、どの人物にも犯行が可能な状況が残されている。
というか、用意されていたわけです。
複数の登場人物を事件にかかわらせ、かつ破綻無く整合性がとれている点、構成としても緻密さが際立つ作品だと言える。
ただ、状況証拠が最も多く、犯人自らが自供したことで一件落着しましたが。

本書では、死相学探偵はどういう立ち位置にあるのか、という点でもはっきりしたのではないでしょうか。
当初は、表面化した死相を手がかりに事件を解決する、というスタンダードな探偵と考えていた。
死相を視ることしか出来ないという制約は、謎解きには不利に思えたし。
ところが、本書では、現れていた死相が消えるという死相学の特殊性が、犯人を特定する裏づけとして使われていた。
あくまでも犯人だと確信するための状況証拠としてだが。
死相が現れた事実をもとに、犯人を特定するという正攻法ではなく、死相が消えた事実をもとに、逆説的な方法で犯人を特定した謎解きは高評価。
その為の、グレーゾーンの容疑者達でもあったわけです。

そういう意味で、積極的に事件の解明に乗り出すというアクティブな探偵というよりは、ある程度情報収集が出来てからの安楽椅子探偵タイプにならざるを得ないのでしょうね。













(  ゚_ゝ゚) { 『理想の部位(パーツ)を集めるのだ…』 これでいいのだ。。。的な?









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