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モノクロームの13手モノクロームの13手
(2010/02/09)
柄刀一

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::: SF・ミステリ ::: ★★☆☆☆


柄刀作品との相性がいまひとつのわたくし。
本書で三冊目を読了しました。
先の二作は、本格ミステリだったのですが、本書はどうやらSFミステリらしい。


あらすじは。。。
異空間に集められた人々。
彼らは、人種も年齢も性別もバラバラ。
何故、何のためにそこに集められたのか、誰も知らない。
しかし、彼らが異空間に配置されたオセロの石であることだけは事実だった。。。
見えざる手、神の一手と、彼らは生死を賭けたオセロゲームを強制されることになる。


あらすじだけ読むと面白そうではある。
いわゆるソリッドシチュエーション・サスペンス。
ただ、何故、今なの? というのが率直な疑問。
この手の作品は、矢野龍王が何冊か書いてますし、漫画では、 『ライアーゲーム』 や 『デスノート』 が有名だが、旬はとうに過ぎた。
今更、活字でやられても。。。という気がする。
これらの作品を超える内容であるならばありだが。。。

構想中の作品を前にした実験的なプロトタイプという印象がぬぐえない。
それくらい全体的に中身が薄っぺら。
何がしたいのかという意図は理解できるのだが、作品としての出来は悪い。
ちょっとした思いつきで見切り発車してしまったとしかいいようがない。
異空間でのサバイバルという設定の東野圭吾の作品 『パラドックス13』 に触発されたのかもしれないが、エンターテインメント性では、 『パラドックス13』 の方に軍配があがるだろうし、非常事態での人間同士の思惑や争いといったドラマ性においても著者に勝ち目は無い。

誰もが知っているオセロゲームだけに、一面の黒が白に逆転する目の覚めるような一手(トリック)が欲しかった。














※ これ以降ネタバレしてます。


































結果として、結局何もわからずじまいでピリオドが打たれる作品である。
異空間の存在、そこに集められて神とオセロゲームは良しとしても、異空間は生死の狭間なのか? とか、異空間で意識のある状態、意識のない状態、どちらが生きているといえるのか? とか、現実世界での生死も不明。
設定の前提が全てあいまい。
そもそもオセロの対戦相手が神なのかも不明だが。。。(笑)
っつか、西洋文化の神が日本発祥のオセロをするのかどうかも。。。

これらのSF的な設定は、謎のまま。
つまり、異空間でのオセロゲームの展開に伴う、人間ドラマに焦点を当てているとしか思えない。
とはいえ、ゲームはスタート時点で既に石がほとんど配置されている状態。
オセロゲームに慣れている人ならば、勝利の一手までは容易いのではないだろうか。
結局のところ、このオセロゲームの根幹は本格ミステリの手法に則っている。
ラストから積み上げられたシナリオがある。
シナリオ通りに展開させるには、4つの石からスタートするわけにはいかないのでしょう。
そうなると、選択肢が極端に限られているので、オセロゲームとしての面白さは望めない。
せめて、オセロの達人が一人だけでなく、二人いたらゲーム展開も白熱したかもしれない。。。


デスゲームでの人間模様に関しては、物語の登場人物同士にしても、彼らに対面する読者にしても、“お初”の人々なので、どんなシチュエーションになっても、感情移入なんてできないでしょう。(笑)
そうなるだけの人間描写やエピソードが十分でない。
なので、そんな環境に置かれたら、自分が生き残る為には、自分に有利な一手を打とうとするのは当然だと思うし、他人を落としいれようとする行為も卑劣とは思えなくなってくる。(笑)

というか、どういう状態であれば生きて現実の世界に戻れるのか、という根本的な部分が謎なので、デスゲームとしての効果が欠如している。
だから生き残ろうと必死な人間が見えてこない。
盤上で意識がある状態でオセロゲームに勝利すれば、現実世界に生きて戻れるという確証があれば、もっとドロドロした人間の本質が見えてくると思うのだが。。。

黒が白に、再び白が黒にめまぐるしく展開していく、白熱したオセロゲームを期待していたし、その中で、人種や国籍が違う人々が集まっているのだから、その人、その国らしい思想、問題で争いが起きたりとか、宗教や死生観の違いなどが浮き彫りになるような人間ドラマがあったら良かったのですけどね。。。
本書がプロトタイプであることを願います。。。(笑)














(  ゚_ゝ゚) { 『生死の審判がオセロのルールで下される!』 チェスだったらかっこいいけどね。。。









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