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たとえば風が (徳間文庫)たとえば風が (徳間文庫)
(2009/12/04)
赤川次郎

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::: サスペンス ::: ★★☆☆☆


1984年の作品。
意外にも興味深い作品だった。
相変わらずのご都合主義で、そんなんあるかっ!な突っ込みをする余地は随時可能なのだが、家族の絆を問うテーマが良かった。

大金持ちの名家・八木原家にやってきた家政婦、千津。
のっけから、まるで、土ワイでお馴染みの 『家政婦は見た!』 シリーズっぽい匂いプンプンです。
しかも、完璧なまでな家政婦ぶり見せつける千津。。。怪しい。(笑)
経済力のある八木原家の女主人・亮子に守られ、何の不自由もなく生活してきた子供達。
そんな八木原家に、突如として不幸な出来事が重なっていく。。。


強固に思えた家族の繋がりだが、一陣の風にあっけなく瓦解してしまう脆弱さ。
知らず知らずに、シロアリに家を食いつくされるように崩壊していく家族を描いている。
決して、本の世界の話ではない。
また、過保護な親の教育が子供の人生までも狂わせてしまうなど、家族の在り方について考えることなく、家族ですらぶつかり合うことがない現代、どの家庭でもあり得る話だ。

















※ これ以降ネタバレしてます。








































やっぱり。。。なお手伝いさん、千津の正体。(笑)
怪しい怪しいと思っていたら案の定だ。
そもそも、名家のお手伝いさんが、弱冠19歳という年齢からしてありえねぇだろう。
金持ちになるには、綺麗ごとだけじゃすまされない世の中。
八木原家も例外ではないだろう。
そんな家に入りこむわけだから、百戦錬磨とはいわないが、社会経験が豊富で、大人な事情も理解できて、口の堅さが一番の家政婦じゃないとまず雇わないだろう。
そういう意味でも、成人にすら達してない小娘なんぞ信用に足らんところ。
それをホイホイ雇ってしまう亮子は、人を見る目なしだ。(笑)

まぁ、自ら災難を招き入れてしまったのは自業自得か。
だが、悪いことばかりでもない。
亮子の人の良さが、若く、柔軟性のある女の子には、自らの過ちを気づかせることにもなったし。
それだけが救いの本ですね。( ´ロ`)

繋がりが強いと思われる家族にも、どこかにいくつかの綻びはある。
その綻びに吹きこんだ千津という小さなすきま風は、やがて家族を崩壊させる嵐を呼びこんでしまう。
他人事とは思えないだけに怖いですね。

亮子は家庭崩壊を招いた事件の核心は己にあると自責の念にかられる。
子供達に愛情をかけ大事に育ててきたと思っていたが、それは親の余り過ぎる過保護であったことに気づく。
無菌室の中で育てられた子供達には、社会にはびこる悪という名の病原菌に対抗できる抗体がなかった。


『子供たちを愛してきたつもりだった。
でも・・・ただ、風が強いからと言って、窓を閉めてやることしか、しなかったのよ。
風が当たらないように、閉じ込めてしまうことしか・・・。
だから、みんな風がどんなものかも知らずに大人になってしまったんだわ』




本文で著者は、 “風” に例えて表現している。


昨今の親は、危険だからアレはダメ、コレもダメと、子供の自主性をないがしろにする人が多い。
親の経験が言わせてしまうのだろうが、何が危険でそうでないかは、子供に体験させるべきだと思う。
心配でどうしても口が出てしまうのだが、親は結果がわかっていても、子供に対しては長い目でみたり、辛抱することも大事なんでしょうね。











(  ゚_ゝ゚) { 『人の手を転々として来た、古い汚れた札には、それをじっとしまい込み、大切にしていた人間の心が感じられた。』 珍しく(?)文学的な表現だ。








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