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::: ミステリ ::: ★★★★☆


2010年版、 『本格ミステリ・ベスト10』 で第4位。
同じく、 『このミステリーがすごい!』 第3位。
『ミステリが読みたい』 第3位。
『週刊文春 ミステリベスト10』 第4位。
3位、4位とちょっと微妙な位置ですが、年度末恒例のランキング・ガイド本の上位を制覇した本書です。

ランキングの発表後に、わたくしは本書を読んだのですが、非常に驚きました。
ここ数年、新作のミステリで素直に面白いと言えるような作品に出合えなかったから、久しぶりのヒットですね。
文句無しの星4つです。
正直、 『本格ミステリ・ベスト10』 だったら1位でもいいくらいだと思う。


物語は、東京の古書店でアルバイトをしている大学生・菅生芳光が、店を訪れた北里可南子に、病死した父親の遺作である5つの小説を探して欲しいと依頼されることから始まる。
菅生は、経済的な理由で大学を休学していることもあり、依頼料を目当てに小説探しを引き受けるが、その過程で、可南子の父親の22年前の思わぬ過去に遭遇する。
亡き父親を追想する物語から一転、ある事件の真相を探る物語へと変貌していく。


本書の素晴らしい点は、リドル・ストーリー(結末を読者に委ねる)自体を、叙述的な手法で利用し、かつ物語全体の歯車の一部として展開してみせたことでしょうか。
大概のリドル・ストーリーというのは、読者に投げかける謎と驚きだけが凝っていれば良いみたいなところがあり、座りごこちの悪い椅子に座っている感じがして、読後も “それが何? どうした?” で終わってしまう。
基本的に、オチがないストーリーは苦手なわたくしとしては、好みの作風ではない。
しかし、本書はリドル・ストーリーである5篇の掌編自体のクオリティが高いうえ、それを長篇ミステリの重要な伏線(手掛かり)として利用している。
似たような作品としては、東野圭吾 『新参者』 と手法が同じ。

個人的には、星3.5というところだが、おまけで4にした。
微妙な星の差は、これだけ本格度の高い作品なのに、妙に青春小説な趣があること。
にしても、文芸作品として見ても、人間描写がへったくそなのが余計中途半端で気になる。
直木賞狙いの作品という印象を受けるのがマイナスだった。
ただ、文庫になったらちゃんと購入して再読したいと思わせる秀作ではある。








(  ゚_ゝ゚) { 『あの女の遺骸は雪の花と真実を握りしめていると信じている。』 








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古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、報酬に惹かれてある依頼を請け負う。依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前に書いた、結末の伏せられた五つの小説を探していた。調査を続けるうち芳光は、未解決の... 粋な提案【2011/03/26 01:36】
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