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パラドックス13パラドックス13
(2009/04/15)
東野 圭吾

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::: SF・パニック・ドラマ ::: ★★☆☆☆


ミステリ作家が、突如としてSF作家に転身か。。。? と思うほど近年の著者の奇行の波はすさまじい。(笑)
ちょっと前は官能小説っぽいの書いてたりと、自身の可能性のあくなき追及ってやつでしょうか。。。( ̄~ ̄)
俺にはいろんな引き出しがあるぜ、ってな事を主張したいのか?
それともビッグネームな作家になったから、そろそろ遣っ付け仕事で儲けて楽して暮らそうという腹なのか。。。?
まぁ、私的には野心家なお方だと思うので、こんなことあんなことやってみたいお年ごろなんでしょうね。(´ー`)┌


本書は、とある日の13時13分からの13秒間、“P-13現象”に地球全体が飲み込まれる。
その時、過酷な環境下のパラレルワールドに飛ばされ、そこで必至に生き延びようとする人々を描いた作品。

SF的観念のパニック小説であるが、全体的に意外性とか、斬新さというものはない。
先行作品である 『漂流教室』 、 『ドラゴンヘッド』 、 『戦国自衛隊』 、 『日本沈没』 などなど、極限状態に置かれた人々の言動、心理、物語の結末、どれをとっても先行作品の域をでない類型的な内容。
超売れっ子の著者の作品であれば、こんなのでも売れてしまうのだろうが、私的には、既製品にちょっとだけ手を加えて、新製品として売り出すような印象が拭えない。
何とも楽チンなお仕事である。(´ー`)┌

しかし、ストーリーテラーな著者だけあって、序盤からグイグイと読ませるのはさすが。
SF苦手のわたくしでも抵抗感なく読める。
ただ、大地震や火災、洪水といった災害シーンが単調であり、その繰り返しが続く上、食糧問題や、疾病等、いわゆる災害時に予想されるあらゆる問題を提示し、解決していくための災害対策としての要素が目立ち、SF小説というよりは、かなり現実的な災害対策マニュアルという印象。
それは想定内なんでしょうね。
荒唐無稽なSFではなく、東野流災害対策マニュアルという現実性を加味した作品。
それと、著者自身が語っている通り、

「世界が変われば善悪も変わる。人殺しが善になることもある。」


これが最大のテーマなんでしょうね。
本来人間が持つ生き延びようとする本能や、人間らしさたるその本質といった根源的なものから、食料事情、老人福祉の問題、生死に対する希薄さといった現代人の志向や生活について、法の秩序(理性)が壊れた極限状態(原始的)の中で探っていこうというのが主旨なのかと思う。














※ これ以降ネタバレしてます。







































手馴れてないSFにチャレンジしたせいか、かなり突っ込みどころが多かった本書。
そもそも“P-13現象”自体がどういう現象で起こるのかわからないのに、それがいつやってきて、どういった影響を及ぼすか、といったことが思った以上に詳細に解明されている点が謎。
だって、現代だって地震がいつどこでどれくらいの規模で起きるかってことが特定できないのに、何で宇宙規模のことがわかんだよって思えてならない。

それと、リーダー的存在だった誠哉が、後半でいきなりの “イヴ発言” には大爆笑。
っていうか、物語として興醒めです。(´ー`)┌
完全にTPOをわきまえてない発言ですよ。
子作りのまえに、現状を生き抜くことが最優先なのに気が早いよ。(笑)
誠哉の “壮大な未来計画” には呆れるばかり。
エリートはこれだからダメだ。
何でもかんでも合理的に事が運ぶと思っている。(´ー`)┌
結局、この人たいそうなこと言っていても、自分自身が生き残りたいっていう本能だけに突き動かされているだけなんですよ。
登場人物の設定にしても、お約束通り、ひと悶着ありありの人選で女性陣は若い女性ばかり。
都合の良い設定ですね。

SF小説を真面目に書こうという気がさらさらないということだけは伝わる。
あくまでも、ある現象から発生した極限状態の中で、モラルも法も崩壊した世界を生き延びつつ、人間の根源的な問題(善悪など)を問う人々を描いた人間ドラマなんでしょうね。




“P-13現象”
結局のところ何だかわからない現象だが、数学的不連続性に深くかかわっている。
数学的不連続性とやらも何が何だかだが。(笑)
要は、動物(人間の)の知性は予測不可能ということらしい。
なるほど、人間を作った完璧な神様でもそこは予想できなかったらしい。(笑)
自然の摂理に背いて、勝手に動き回る人間共に、神様はきっと手を焼いているはず。
しかし、この“P-13現象”は、そんなバカな人間共に与えた神様の試練と考えられなくもない。
「天は自ら助くる者を助ける」 という誠哉の宗教的な言葉が印象的だった。
汝、みだらに神の名を口にするなかれですね。
自分が出来る最大限の努力をしたものには救いがある。
再びやってきた“P-13現象”に、必至に生き延びて迎えることが出来た者だけが、現実の世界に戻れたわけです。

でも、誠哉は何故死ぬ運命だったのか。。。疑問だったりする。
誰よりも生に執着していたと思うのだが。
ただ、生き残れた冬樹や明日香、菜々美などと比べて、明らかに違う点がある。
それは、自分が生き残る為には手段を問わないという野心的な計算が働く傲慢さ。
この傲慢さで誠哉は女性陣から総スカン食ったわけです。
神様が篩いにかける選択肢の1つには、 “人間らしさを捨てた者” があったと思えてならない。
自分の心に正直に、ひたすら無垢に行動していた者には神様の救いがあった。
物語での冬樹や明日香の行動に、読者はバカだなぁと何度も思った人も多いと思う。
このバカなとも思える彼らの言動は、現代で生きる私たちが持つ “人間らしさ” の葛藤である。
いわゆる “損な生き方” の代表。
無垢とバカは紙一重なのかもしれん。
しかし、そのバカな部分を神様は無性に愛しているのだと思えてならない。










(  ゚_ゝ゚) { 『この世界は、パラドックスの辻褄合わせのために作られた。』 神様の愛のムチ。









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