ファントム・ピークスファントム・ピークス
(2007/12)
北林 一光

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::: パニック・サスペンス ::: ★☆☆☆☆


わたくしの姉が所持していた本を借りました。
“ファントム・ピークス” というタイトル名と、ホラーやサスペンス系の小説でよく使われる、藤田新策の装画に惹かれて読んでみました。

著者は元々は作家ではなく、映画業界の方だそうです。
2005年に本書を刊行、翌年、病気で亡くなられたとの事で、残念ながら著書は1冊のみです。
映画畑にいただけあって、小説というよりは映画的な時間をきっちり計ったかのような構成、展開の作品。


ストーリーは、長野県安曇野・堀金村に引っ越してきた三井夫婦の妻が、ある日山歩きの最中に行方不明となる。
翌年、彼女の遺体が発見されるが、遺体の状況、発見場所の不自然さからただの遭難ではないという疑惑が持ち上がる。
それを機に、次々と村人が何者かに襲われ、殺害される事件が多発する。
連続する事件と、三井の妻の遭難事件とは関係性があるのか?
村人を襲うモンスターとは一体。。。!?

宣伝文句では、 “ファントム” とか、 “モンスター” と表現するもんだから、なんともホラーチックなイメージを連想させるが、まぁ、ぶっちゃけアレですよ。。。
日本にも棲息し、森の中でばったり出会う最強の野生動物のアレっていったら想像つきますよね。(´ー`)┌
“本格パニック・エンタテインメント” と称しているだけあって、ハリウッド映画の動物パニック映画に似ています。
それがお好きな人は、十分楽しめるのではないでしょうか。
わたくしはホラー系を期待していたので残念でしたが。。。
コピーでは、 “先が読めない” と謳ってますが、構成・設定・展開どれも先人の作品の踏襲であり、わたくしとしては人喰いザメが地上の動物に変わったくらいの違いしか感じませんでした。
“お約束ごと” を一興と思える方は問題ないですが、斬新さとか、新鮮さを求める方は読むだけ時間の無駄だし、うんざりするでしょうね。


環境問題に対しても、いろいろと専門的な内容が書かれているようにみえるが、一般的に広く知られているような程度の浅い知識ばかり。
上っ面を撫でているだけなので、作品に深みがでない。
やはり、エンタテインメント作品として楽しむほかない。















※ これ以降ネタバレしてます。







































“ファントム” 、 “モンスター” と騒がれていた正体は、ヒグマだった! ので、拍子抜け。(笑)
まぁ、熊の生態を知らない都会っ子だからそんな呑気なことが言えるのかもしれない。
しかし、ツキノワグマとヒグマがどう違うと説明されても実感がわかない。
それだけ著者の表現力が稚拙だったということだろうか。

ホラーチックなストーリーでなければ、人を襲う日本の最強野生動物といえば森のクマさんしかいない。
それなのに登場人物達は、そろいも揃ってクマという答えに辿り着かない。(´ー`)┌
モンスターの正体をひた隠しにする必要性もないのに、隠す隠す。(笑)
いっそのこと、ベンガルトラとかの方が驚きはあったかも。

殺人クマという設定もそうですが、パニック映画の基本を忠実に踏襲しているので、全体的にストーリー展開が読めてしまう。
それはまだいいとしても、問題はサスペンス性が非常に欠如しているので、読んでいてもヒグマの恐ろしさが伝わってこない。
パニックものに重要な要素が悪い。
まだ、ハリウッド映画の方がマシ。
オリジナリティや、日本的な感性があったら良かったのかもしれない。
悪く言えば、小説を書くことが目的だったのではなく、映画化ありきの脚本という印象を受ける。
映画といっても、ハリウッドでは既にクマが人を襲うパニック映画があったし、日本人がクマごときの映画で盛り上がるとは思えない。

次回作に期待したいところだが、本書が遺作になってしまい残念ではある。










(  ゚_ゝ゚) { 『おまえはいったいなんなんだ? なぜここにいる?』 クマ〜♪ クマ〜♪ クマ〜♪







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