Bk.085 朝日殺人事件

13:51 Sat 13.09
朝日殺人事件 (講談社文庫 う 5-34)朝日殺人事件 (講談社文庫 う 5-34)
(2008/08/12)
内田 康夫

商品詳細を見る


::: ミステリ ::: ★★☆☆☆


昔、一度だけ読んだことがあったのですが、内容は全く覚えていなかった。
講談社より文庫化されたので、再読してみました。


今回の浅見ちゃんは、“アサヒ” という謎の言葉を手掛かりに、2つの殺人事件の解決に奔走します。
浅見シリーズの典型的な構成である。
謎掛け言葉と、関連性がないような2つの事件を1つに集約させる手腕は、さすが内田康夫です。
しかし、事件の解明という点においては、他の浅見シリーズ作品と比べると、事務的な説明文を読まされている感じ。
犯人を逮捕するまでの決定的な論的証拠なり、物的証拠を提示できなかったようで、浅見ちゃんの推理に説得力がなく、2時間サスペンス的な終わり方だったのが残念。

本書の見所は、事件の解明というよりは、2つの事件の根っこが同じものであることを、浅見ちゃんがどうやって探っていくのか。
そこに推理小説としての面白さがある作品だと思う。













※ これ以降ネタバレしてます。







































大抵の推理小説の巻末には、解説があります。
本書にも当然あるのだが、著者の作品全般についての解説ばかりで、本書についての解説がない。
何を解説したいのか全くわからない解説なのだ。
しかし、わからないでもない。
本書の内容について解説しようにも、書けるだけのネタがない。
内田作品のほとんどが、雛型式ミステリであり、ある程度、数パターンの型を用意しておき、そこに地名や、登場人物といった素材を変えて当てはめるだけの作業といってもいい。
だからこそ、著者は多作なわけです。
数冊読めば、またこのパターンかと察しがつくので、一度書いた解説を再び違う作品で書けるはずもなかろう。
解説泣かしの作品です。(´ー`)┌

解説だけでなく、感想も書きにくい。
根本的に作品の構成が同じものに対して、感想も書くことがない。
利権に絡んだ悪徳議員や、建設業関連の事件というのも興味が無い。
クロゼットに死体を入れて運ぶ、というトリックも平凡でバレバレだし。
事件の解明にしても、証拠らしい証拠も無く、浅見ちゃんの推理だけで、後は、2時間サスペンスモードに突入。
後日談で、あーだったこーだったと説明されても、へぇそうですかと言うほかない。
証拠らしい証拠といったら、犯人が殺害に使った犬乗り童子という焼き物ですが、これを詐欺まがいの手段で犯人の手から奪い取るというのは、現実的にはありえないし、証拠能力無いんじゃないかなぁ。。。
しかも、犯人から受け取った金を流用しちゃうのは犯罪では。。。?

今回は、犯人が誰かとか、どうやって犯罪が達成されたのかというのは度外視ですね。
2つの事件の繋がりを、いかに浅見ちゃんが手繰れるか、ここに彼らしい名推理が発揮されるわけです。
多少、ご都合主義的な偶然は介在しますが、構成的には良く出来ていると思います。









(  ゚_ゝ゚) { 『旅先で起こる連続殺人。傑作旅情ミステリー!』 浅見ちゃんに殺人に関わらない旅などあるのだろうか。。。







テーマ : 読んだ本。 - ジャンル : 本・雑誌

<< Bk.086 鬼蟻村マジック | home | Bk.083 すべてのものをひとつの夜が待つ >>

comment

管理者にだけ表示を許可する

trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 BLOG TOP