::: 哲学 ::: ★★★☆☆
『バカの壁』 に引き続き図書館で借りました。
全体的にかなり理屈っぽく、養老先生独自の理論攻めに頭が疲れてきますが、個人的には、 『バカの壁』 よりは面白かったです。
中でも、
“なぜ人を殺してはいけないのか?” と
“安楽死とエリート” の章は興味深い内容でした。
何も無かった、何も知らなかった古代とは異なり、どんどん都市化され、医療を始め、あらゆる分野での研究が進み過ぎた現代には、“死” についての概念が、頭では理解できていても、心で理解できずにいるように思える。
“なぜ人を殺してはいけないのか?” 誰もが即答できずに悩む難題だが、養老先生は単純明快な答えを出している。
“蝿叩きで潰した蝿を元に戻せますか?” と。
答えは、No。
どんなに科学が進歩して、月にまで人間はロケットに乗って行ける時代になっても、蝿叩き1つあれば殺せる蝿を生き返らせることができない。
蝿や蚊のように見た目がどれも同じ姿をしてると、数え切れないほどいるから、1匹くらい殺しても問題ないと思ってしまうんでしょうかね?
後にも先にもこの世で受けたたった1つの、唯一無二の “命” だっていうことを忘れてしまうんでしょうか。
ブータンでは、生き物の殺生に関する教え(仏教)が、今も根強く残っているとのこと。
蝿が食堂にわんさかいても誰も殺さない。
何故か?
“お前の爺さんだったかもしれないからな” だそうです。
生命の誕生と終焉は、時空を超えて連綿と繋がり続けているという思想があるからだそうです。
とは言ってもさすがに蚊は嫌ですよね。。。 (´ー`)┌
“安楽死とエリート” に関しては、個人的には死にたいヤツは死なせてやれよと思ってたんですが、わたくしは安楽死させる側(医師)の気持ちを全く考えてませんでした。
世界で唯一オランダは安楽死を承認してる国ですが、ホスピスで安楽死を行う医師は治療行為にあまり携わらないとか。
一方で人を 『殺し』、 もう一方で 『助ける』 という矛盾した心理は安楽死を行う医師にとって、精神的苦痛を伴うからではないかと。
そんな人の生命を預る医師や、国民の盾となるべく政治家など人の上に立つ人間は、たった1つの判断ミスが、人を死においやる立場にいる。
だからこそ
“責任と覚悟” を教えるのが本当のエリート教育だといってます。
そのリスクの代償として、高い医療費や税金を払っているんですからねぇ。
しかし世間様では、良い大学を出て、良い企業に勤めることこそエリートだと勘違いしているのです。
どうりで、良い医者、良い政治家をみつけるってとっても難しいですよね。 (´ー`)┌
昔読んだマンガで、印象に残ったセリフを思い出しました。
“人間は死ぬようにできている”どんなに死にたいと願っても、身体が生きようとしてるうちは死ねない。
どんなに生きたいと願っても、死は万人に等しくやってきます。
唯一、確実で平等なもの。
それが “死”あれやこれやと死について悩むことはないんだね。
( ゚_ゝ゚) { 『神に愛される者は早死にする。』 愛されてみたいが、この世に執着ありすぎ。。。
テーマ : 読んだ本。 - ジャンル : 本・雑誌