Bk.055 冷たい校舎の時は止まる

22:34 Fri 24.08
冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)
(2007/08/11)
辻村 深月

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冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)
(2007/08/11)
辻村 深月

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::: ホラー・ファンタジー ::: ★★☆☆☆


第31回メフィスト賞受賞作。
以前から気になっていた作家さんであり、その作品でした。
文庫化に乗じて読んでみました。

メフィスト賞から飛び出してくる作家さんの作品は、かなり風変わりなものが多く、正統なミステリを書く作家さんもいれば、理解不能な世界観を武器にする方もいて、開けてみるまでわからない福袋的な面白さがあります。
その為、自分のストライクゾーンにはまればラッキーなのですが、そうでなかった場合が意外ときつい。
特に、あらすじやコピーでだまされた感はぬぐえないのです。(´ー`)┌


本作に於いてはどうかというと、個人的にはストライクじゃなくてボールでした。
作品としては良かったと思うのですが、サスペンス・ミステリとか、ホラー・ミステリといったものをあらすじから期待していただけに、蓋を開けてみたら、ホラー・ファンタジーをベースにした青春小説だったのでがっくり。
作品の良し悪しは別として、読む以前の問題外な作品だっただけに、個人的な評価は低くなりました。

正直、1000ページを超す大作ではあるんですが、もう既に青春が過去のものとなったわたくしには無用の長物であり、長々と綴られる登場人物8人の青臭い青春物語を読むのは、時間の無駄と思わざるを得ない。
8人の内面をリアルにかつ、丁寧に描く心理描写はとても緻密に書かれていると思う。
特に、 “いじめ” や “自殺” をはじめ、家庭や学校が抱える問題などに目を向けた作品なので、学生さんに読んでもらうのが1番良いと思いました。
夏休みの読書感想文で、ページ数は少ないが小難しい純文学を選択するよりは、大量ページではあるが本作を選んだ方が、身近な話題でもあり考えさせられる事は多いだろう。











※ これ以降ネタバレしてます。





































読み終わって思ったことは、作風が恩田陸にそっくりだということ。
世界観も 『漂流教室』 っぽいですし、登場してくる8人も聖人君子のような、非の打ち所が無いキャラクターばかり。
独自性というものが感じられなかった。
全体的に、波風立たない静まり返った湖面を見ているような作品だった。
時に小石を投げ入れて、ひと味違った波紋を見せてくれるような意外性が欲しかった。


何が1番ツラかったかといえば、とてつもなく長い回想シーンでしょうね。
しかも、8人分を嫌ってほど読まされました。
それぞれのエピソードを書きたかったばかりの作品としか思えず、メフィスト賞受賞作(読者に期待を持たせる作品)で、主題すら見失いそうになりながらも、読んだ酬いは受けられるのかと不安で仕方が無かった。
こんだけ引き伸ばされて、ラストに待つカタルシスを味わえなかったらどうしてくれようと、ゴールをただひたすらに目指すランナーのごとく読みきった。(´ー`)┌
結果的には、自分が予想していなかった部分での驚きというのはあった。
驚天動地のトリックが用意されているというようなものではなく、ただ、辻村深月の中に取り込まれたうちの、菅原と鷹野、深月自身が、菅原の回想シーンに登場していた人物だったということ。
菅原=榊先生であり、鷹野=ヒロ、深月=みーちゃんという設定。
たしかに菅原が榊先生だったというオチはびっくりしましたけど、それだけ。。。
なので、あの長々と読まされた回想シーンを考えるとインパクトが薄いし、そんなオチのためにあれが必要だったのか? と思えてならない。
ゴテゴテに作り上げたキャラクターたちの精神世界が、天ぷらやカツ丼、うな重に相当する重さなのに、ラストのデザートがところてんだったというなんともバランスの悪さを感じた。


正直、8人て人数は必要だったのか? と思えてならない。
鷹野博嗣を筆頭に皆、良い子ちゃんの仲良し集団に過ぎない。
みんなそれぞれ性格だったり、能力だったり、家庭に悩みを持っていることで、個人差を出しているんだけど、共通しているのがあり得ないほど “良い子” ちゃんだということ。
1人くらい性格がひんまがって、底意地の悪いヤツがいたっておかしくないのに、 “良い子” ちゃんなのだ。(´ー`)┌
そこがひっかかってしょうがない。。。
それと、深月をとりまく登場人物達が完全なるヒーローであり、春子は完全なるヒールのような扱いも気になる。
子供番組の戦隊モノじゃあるまいし、人間同士の関係で、善悪を線引きすることは難しいと思う。
その辺の部分をあいまいな形にして、彼らが持つ絶対的な正当性に疑問を持つような展開があったら面白かったのにと思う。
善悪にしても、良い子ちゃんは勉強が出来るといったような固定観念を植え付けすぎな気がする。
なんというか、美少年に美少女しか登場してこない、昔の少女漫画のレベルに思えてならない。

わたくしとしては、あの長すぎる各人の回想シーンを読んだ後に期待したのが、学校にというか、深月の中に閉じこめられてから、どうやって彼らが成長していったのか? という過程が見たったんですよね。
ところが、単にホラー映画を観るような描写で、マネキン人形にされてお終いじゃ、それまで読んできた彼らの人生は一体何だったのか?
カタルシスというよりも、完全に肩透かしを食らった。








(  ゚_ゝ゚) { 『彼らは思い出さなくてはならない。』 思い出した後の彼らの成長が見られない。。。






テーマ : 読んだ本。 - ジャンル : 本・雑誌

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はじめまして
はじめまして、コメント頂きどうもありがとうございます。(´v`)

早速ですが、ご質問の件ですが、わたくしが発信しております記事に関しては、ネタバレに関する注意を行った上で書いております。
これには当然のことながら、ネタバレを好ましく思わない方もいらっしゃるという事を考慮しての処置でございます。
しかしながら、コメントに関しましては、ネタバレの規制等できかねますので、投稿される方のモラルにおまかせしております。
以上のことから、この場でのネタバレは差し控えさせていただきたくお願い申し上げます。

参考になるかわかりませんが、以下のサイト様で、詳細な解説があるようですので、ご覧になってはいかがでしょうか?

『きたろーの本格ミステリ雑感』 様
http://www.geocities.jp/kitarojp/index.html

教えて下さい
こんばんは
本日私も『冷たい校舎の時は止まる』読み終わりました。
結構面白くて、読む手が止まらなかったのですが・・・・
途中はやっぱり飽きてしまった。特に14章のHERO ちょっと長すぎですよね。
ダラダラしすぎでした。
で、最後の方私はイマイチ理解出来てないのですが、
P554の『あの時深月の内側を閉めたのは誰なのか・・・」ってありますが、
これって誰なんでしょうか?
榊?って思ったんだけど違いますよね?
そのまま榊が行方不明みたくなったからそうかなとも思ったんだけど・・・
行方はわかったし。
それとも深月が許すことが出来て帰ってきたんですかね?
どう思いますか?
馬鹿な私に教えて下さい。

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