Bk.020 虫眼とアニ眼

22:34 Sat 16.02
虫眼とアニ眼 (新潮文庫 み 39-1)虫眼とアニ眼 (新潮文庫 み 39-1)
(2008/01/29)
養老 孟司宮崎 駿

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::: エッセイ ::: ★★☆☆☆


解剖学者・養老孟司さんと、アニメーション監督・宮崎駿さんの対談エッセイ。
似たもの同士の対談のせいか、激論というものは見られなかったが、宮崎監督というのは作品の印象とかなり違うことがよくわかった。
意外とブラックというか、世間一般でいうとこの常識人ではない。
動物王国の王様・畑正憲ことムツゴロウさんくらい変わっている。
養老先生もそれに負けじ劣らずなんですけどね。。。

本書では、宮崎さんの作品 『もののけ姫』 と  『千と千尋の神隠し』 をテーマに、人類、自然、子どもについて、1997年、1998年、2001年に行われた対談を文庫化してます。
お2人ともほとんど意見の相違がないため、お互いを褒め殺し合う形になってしまっている。
もうちょっと波風立ってた方が読み物としては面白いのになぁという印象。
養老先生も宮崎さんも思考回路が似ていて、交わされる言葉はかなり哲学的であり、文学的でした。
しかし、宮崎さんのこの言葉に不謹慎ながら大爆笑しました。


不謹慎かもしれないけれど、富士山が噴火する姿って見てみたいじゃないですか。
上半分吹き飛んじゃったりしたら、ありとあらゆる日本人がすごいショックを受けますよ。




誤解を受けそうですが、地震の話の中での言葉であり、日本が戦後の短期間で自然を破壊しつくしてしまったのだから、富士山くらい噴火してもおかしくないというような例えなんですけどね。
でも、『となりのトトロ』とか作った人がこんなこと考えてるなんてと想像したら笑えます。
芸術家タイプの発想ですよね。
凡人だったら富士山が噴火したら困るどころか、日本が悲劇的な状況に陥ることは明らかだから、そんなこと考えること事体禁忌というか、想像したくないと思うところですが、その境をひょいと飛び越えちゃう。
やさしそうな笑顔の裏側では結構、ブラックな人なのかもしれない。。。(笑)








(  ゚_ゝ゚) { 『子どもの本質は悲劇性にあると思っています。』 大人も悲劇ってますけど。。。









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Bk.035 死の壁

23:59 Wed 24.11
死の壁 死の壁
養老 孟司 (2004/04/16)
新潮社
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::: 哲学 ::: ★★★☆☆


『バカの壁』 に引き続き図書館で借りました。
全体的にかなり理屈っぽく、養老先生独自の理論攻めに頭が疲れてきますが、個人的には、 『バカの壁』 よりは面白かったです。

中でも、 “なぜ人を殺してはいけないのか?” と “安楽死とエリート” の章は興味深い内容でした。
何も無かった、何も知らなかった古代とは異なり、どんどん都市化され、医療を始め、あらゆる分野での研究が進み過ぎた現代には、“死” についての概念が、頭では理解できていても、心で理解できずにいるように思える。
“なぜ人を殺してはいけないのか?” 誰もが即答できずに悩む難題だが、養老先生は単純明快な答えを出している。

“蝿叩きで潰した蝿を元に戻せますか?” と。

答えは、No。
どんなに科学が進歩して、月にまで人間はロケットに乗って行ける時代になっても、蝿叩き1つあれば殺せる蝿を生き返らせることができない。
蝿や蚊のように見た目がどれも同じ姿をしてると、数え切れないほどいるから、1匹くらい殺しても問題ないと思ってしまうんでしょうかね?
後にも先にもこの世で受けたたった1つの、唯一無二の “命” だっていうことを忘れてしまうんでしょうか。

ブータンでは、生き物の殺生に関する教え(仏教)が、今も根強く残っているとのこと。
蝿が食堂にわんさかいても誰も殺さない。
何故か?

“お前の爺さんだったかもしれないからな” だそうです。

生命の誕生と終焉は、時空を超えて連綿と繋がり続けているという思想があるからだそうです。
とは言ってもさすがに蚊は嫌ですよね。。。 (´ー`)┌


“安楽死とエリート” に関しては、個人的には死にたいヤツは死なせてやれよと思ってたんですが、わたくしは安楽死させる側(医師)の気持ちを全く考えてませんでした。
世界で唯一オランダは安楽死を承認してる国ですが、ホスピスで安楽死を行う医師は治療行為にあまり携わらないとか。
一方で人を 『殺し』、 もう一方で 『助ける』 という矛盾した心理は安楽死を行う医師にとって、精神的苦痛を伴うからではないかと。 
そんな人の生命を預る医師や、国民の盾となるべく政治家など人の上に立つ人間は、たった1つの判断ミスが、人を死においやる立場にいる。
だからこそ “責任と覚悟” を教えるのが本当のエリート教育だといってます。
そのリスクの代償として、高い医療費や税金を払っているんですからねぇ。
しかし世間様では、良い大学を出て、良い企業に勤めることこそエリートだと勘違いしているのです。
どうりで、良い医者、良い政治家をみつけるってとっても難しいですよね。 (´ー`)┌


昔読んだマンガで、印象に残ったセリフを思い出しました。

“人間は死ぬようにできている”

どんなに死にたいと願っても、身体が生きようとしてるうちは死ねない。
どんなに生きたいと願っても、死は万人に等しくやってきます。
唯一、確実で平等なもの。
それが “死”あれやこれやと死について悩むことはないんだね。





(  ゚_ゝ゚) { 『神に愛される者は早死にする。』 愛されてみたいが、この世に執着ありすぎ。。。






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Bk.034 バカの壁

23:51 Wed 24.11
バカの壁 バカの壁
養老 孟司 (2003/04/10)
新潮社
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::: 哲学 ::: ★★★☆☆


やっとこ図書館で借りれました。
本屋で手にした時は、たったの200ページで、680円という法外な値段をつきつけられ、あっさり手放しました。

『話せばわかる』 とか 『絶対の真実がある』 などと思ってしまう姿勢は一元論の泥沼にはまりやすい。
そこに “バカの壁” とやらが立ちふさがるらしい。
分かりやすく書かれた本らしいですが、わたくしにはさっぱりわかりませんでした。
短いコラムを一冊にまとめたような本なので、読みやすそうだと思ったが以外と手強かった。
もちろん理解出来る部分もたくさんありますが、専門的な話になるとついてけません。
ただ面白かったのは、著者が解剖学や脳医学といった専門分野だけで語ることなく、哲学、思想、歴史、文学など、あらゆる分野での知識を持出してくることです。
特に哲学的な内容が多いように感じました。
普段から、古人の哲学や思想についての本など読んだ事が無いので余計に難しく思えたようです。

とはいうものの、 “バカの壁” が無い人間なんて1人もいないんじゃないんですか?
“バカの壁” があるからこそ人間と思いますよ。
人間同士殺し合いするほどの、強固な壁を作られても困りもんですけど。。。 (´ー`)┌
ただ何かわからなかったけれど、みんな壁の存在だけは感じてたと思いますよ。
どんなに話しても理解し合えない人間っているのだと。
それを “バカの壁” と形にして現してくれたのですっきりはしましたね。
けど、本作の全てを信じるつもりはないですけど。
わたくしの “バカの壁” は、人が何と言おうと、自分が思ったとおりにしか行動しないってとこですかね。
なので本作を読んでも、わたくしの生活にはなんら変化はなさそうです。 ┐('〜`;)┌


笑ったのが、 『東大のバカ学生』 というタイトルの話。
著者が東京大学での口述試験で、頭の骨を二個取り出し、学生に二つの骨の違いを述べろと質問したところ、

『先生、こっちのほうが大きいです。』 と答えたという。 著者は思わず、

『幼稚園の入園試験で、リンゴの大きさを比べているんじゃないぞ。』

と、言ってしまったという話。
学生に限らず、こういうタイプの人間て社会人でもいますよ。
普通に想像力を働かせればわかることがわからなかったり、一度行った経験を応用すれば出来るのに出来なかったりと。。。
そういう人達に本作を読ませても、何の感慨もないのでしょうね。 (´ー`)┌






(  ゚_ゝ゚) { 『 “知る” ということは自分が変わったということに過ぎない。 』 養老センセ、深すぎて手がとどきません!






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