::: SF・ミステリー ::: ★★☆☆☆
これまで著者の作品では、 『イニシエーション・ラブ』 と 『リピート』 を読んだことがある。
どちらとも悪くなかっただけに、当然ながら本書も期待を込めて読んでみたが、感想は、 “図書館で借りて良かった” だ。
裏表紙のあらすじに “恋愛変格ミステリ” という一語があり、 『イニシエーション・ラブ』 を連想させたことも裏目に出た。
純粋なミステリというわけではなく、SFとしての要素が強く、それが苦手なわたくしとしては、楽しめなかった大きな要因かと思う。
内容としては2本の中編で成り立っているのですが、どちらもアイデア勝負の作品という印象であり、私的には、短編で締めてくれたほうがすっきりするし、逆にダラダラとした文章は蛇足でうざい。
また、表紙なんですが、いかにも現代的な恋愛小説を想像させるようなイラスト(写真を加工)だが、中身の方は、アニメオタク好みの女の子を、ベタで古臭い設定で描いており、 『イニシエーション・ラブ』 の時もそれがキモくて仕方なかった。(笑)
本書もその路線を継承しているのだが、これは著者の個性、独自性と思えばいいのか、計算、策略なのかは判断つきかねますが、どちらにしてもわたくしの場合、全てにおいて、誇大広告並の詐欺本としか思えない。(´ー`)┌
こと恋愛おける人間描写という点では、石持浅海とためを張れるだけの低レベルさ加減を有していることは決定的。
※ これ以降ネタバレしてます。『マリオネット症候群』 は、人を殺した人間の体に、殺された人間の人格が転移してしまうという特異体質を持つ家族の話。
里見という女子高生が、不本意ながら憧れる森川先輩を毒殺してしまう。
ところが、特異体質を持つ里見の体に、森川先輩の人格が移ってしまい、当人の里見は意識はありながらも内面に押いやられてしまう。。。
漫画やアニメで体が入れ替わり、他人の体に入ってしまった人間を描く話はよくありますが、本書の場合、里見の体に入ってしまった森川先輩を、里見の視点から描いているという点が面白い。
しかし、里見という女子高生の描写が、今時こんな女の子いるのかというくらい古臭い。
さらに、人を殺すことや、殺されたことに対する人間心理というものが欠落しすぎ。
完全なるSFユーモアミステリとして読まなければ、腹立たしいほどにバカバカしくて読んでいられない。
ラストのオチにも驚きがないし、中途半端にホラーチックな点もいただけない。
中編にするほどの内容とは言い難い。
『クラリネット症候群』 は、フランスの童謡 『クラリネットをこわしちゃった』 の歌の通り、大事なクラリネットを壊してしまった少年が、ドレミファソラシの発音が出来なくなるという話。
表題になるだけのことはあり、 『マリオネット症候群』 と比較すると断然こちらの方が優秀。
発音が出来ないまま会話をすることで、相手の話を聞き間違えてしまい誤解を招くという展開も面白い。
ただ、読者側に立ってみると、虫食い穴だらけの文章は非常に読みづらい。
また、楽譜(音符)の暗号に関しても、音楽関連の仕事をしている人でない限り、楽譜は読めないため、この暗号トリックは全くもって楽しめない。
虫食い穴文章も、暗号トリックにおける文章もほとんど流し見るしかない。(´ー`)┌
著者としては1番読んでもらいたい部分で、飛ばし読みされてはかなわんと思うかもしれないが、そういうもんです。(笑)
両作品に言える事は、とにかく女性もしくは、恋愛に関する描写が最低レベルだということ。
著者のイモ臭い恋愛観にはイラっとする。
( ゚_ゝ゚) { 『純真さが生んだ、奇跡の献身』 純真なんて言葉を使う少女が今時いるか。。。
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