::: ミステリ ::: ★☆☆☆☆
著者の作風ってこんなんでしたっけ? と作者名を何度も確認した作品も珍しい。
『殉教カテリナ車輪』 を読んだ時は、地味だが普通にミステリしてたと思ったのですが。。。
読んでガッカリというか、確実に時間の無駄だったとしか言い様が無い。
しかも、量が半端でなく多いんだから、ふざけんなといったところ。
内容的にもガチンコの本格好きと、ミステリ初心者は読まないほうが無難ですね。(´ー`)┌
帯に “ジョン・ディクスン・カー+ボーイ・ミーツ・ガール” とあるように、主人公の少年・タクマくんが、事情により土着文化が根強い村に引越しし、そこで怪奇現象(といってもほぼ村ぐるみのいじめという名の差別)に見舞われ、窮地を超絶美人の不思議っ娘に助けられ、純愛モードオンで猟奇殺人に立向かうというヘンテコな話。
怪奇と恋愛と本格ミステリーの両立は無理やろう、というか無茶しすぎ。
強引な展開で、あっちを立たすと、こっちが立たずみたいな、入れ替えを繰り返しているうちに、作品事体がぐっちゃぐちゃになってしまったという印象です。
どちらにしても、どれをとっても盛り上がりに欠けているし、この手の作風は、おそらく西尾維新がやればピカ一で、マニア受けすること間違いないのだが、そこまではっちゃけられないのか、中途半端な気がしてならない。
著者自身、迷走気味なんですかね?
物語の前半で真犯人がすぐにわかってしまい、まさか、まさかと思っていたのですが、どんでん返しはなかった。
とにかく、冗長(ムダとも言う)な文章をひたすら読んで、読んで、読みまくるしかゴールできないのだから、つらい。
まさに脳内フルマラソンだ。
マラソンにはランニング・ハイとやらがあるそうだが、わたくしにはリーディング・ハイはおとずれなかった。(´ー`)┌
つらいというか、もはやタイトル通り “拷問” 以外の何者でもない。(笑)
物語では、怪奇現象=悪魔の存在の肯定であり、西洋の悪魔や、神や天使の薀蓄なんか盛りだくさんで出てくるのかと思いきや、意外とあっさりしていて、事件の真相に関係薄そうなのは明白だったりする。
さらに、そんなことよりも、カニ女や変態エロ坊主に、人面瘡の憑き物お落し(リンチ)などなど、乱歩の世界かと思うほどグロいシーンがあったり、悪魔的な怪奇現象というにはほど遠く、作品の全般がキ印な村ぐるみによる主人公・タクマくんへのいじめ(差別)を描いていて、読んでいて気分が悪い。
不愉快でむなくそ悪い。
そのタクマくんですが、ミステリに不可欠な探偵役と呼ぶにはあまりにも役不足な立ってないキャラ。
キャラクターの人物造詣もかなり年代を感じさせるものばっかりでした。
怪奇現象も、ミステリも一応の着地は見せるのですが、納得は出来ないし強引すぎです。
また、純愛ストーリーの決着はというと、このオチもムカっとするのはわたくしだけ?(笑)
※ これ以降ネタバレしてます。まず最初に言いたいのが、 “ルビ” をふれ!
全ての漢字にふれとは言わないが、最低限、登場人物の名前は必須やろ!?
登場人物を脳内構築するのに、名前の読み仮名がわからないほど面倒なことはない。
鈴木とか、田中とか誰が読んでもわかる名前ならよいのだが、本書の登場人物はどいつもこいつも妙ちくりんな名前。
不親切としか思えない。
ハヤカワ・ミステリワールドというレーベルにはルビ無かったっけ?
ただ、殺害された登場人物の名前が、悪魔図鑑とやらに載っている悪魔の名前のアナグラムになっているせいかとも思ったが、そんなことで見破られるようなアナグラムは最初から作るなって話ですよ。。。まったく。
本書の致命的な点といったら、主人公・タクマくんのキャラが全くもって立ってないってことと、怪奇現象がこちらも負けじ劣らず怖くないってことですね。
タクマくんのキャラが立ってなくてもいいんですよ、ミステリーを解決する探偵だっつ〜なら。
でも、この主人公は謎を解こうという積極性があまりみられなかった。
それよりも、こいつは絶対何かしてくれるぞと、ある意味期待していたタクマの友人・不二男くんが、意外とナイスなキャラしてましたね。(笑)
ワキが立っちゃうほど悲しいことはないですね。(´ー`)┌
主人公に取って変わった感さえある。
わたくしは絶対不二男は、いじめの主導者だと思ってたんですが、蓋を開けてみたら、現代稀に見る好青年だった。(笑)
しかも、色白の美少年という設定なんですが、意外と根性も体力もあったのには笑いました。
怪奇現象に関しては、因習深い村という設定で、人肉を食すカニ女とか出てくるんですけど、これが楳図かずおの作品かと思うような陳腐な設定。
後半では、巨大蛇と村人との格闘というシーンもあるのですが、それがアマゾンなんかに出現する人喰い巨大蛇だったとしてもですよ、村人の多くが腕やら足やらがもぎ取られていくなんて設定はリアリティに欠け過ぎ。
どんなにデカかろうが、所詮は蛇だぜ?(´ー`)┌
因習、土着文化をミステリに上手く取り入れた作家といえば、普通は横溝正史か、三津田信三のような作風を思い浮かべると思うのですが、本書はSF? 夢? と疑うほど常軌を逸している。
怪奇とミステリーを両立させようという志は素晴らしいと思う。
不二男の悪魔犯行説はそれなりに楽しませて貰った。
ただ、怪奇は陳腐だし、ミステリは “堕天使拷問刑” という言葉を生かしたいがためのとってつけたようなトリック(バカミス)でしかない。
どれもこれも中途半端であり、どの部分に対しても納得は出来ない。
極めつけが、長々と読まされた本事体が、江留がタクマに宛てたラブレターだったというしょうもないオチ。。。
そんなもん読まされたんかというよりは、そんなものの為に、貴重な時間を無駄にした後悔の方が大きいね。
ついでに、不二男くんおすすめのホラーエッセイも、個人的にも謎解きにも何の役にも立たない。
( ゚_ゝ゚) { 『本格怪奇派の著者が仕掛ける純愛と推理の融合』 誇大コピー。。。
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