Bk.081 復讐はワイングラスに浮かぶ

00:00 Fri 05.09
復讐はワイングラスに浮かぶ (集英社文庫 (あ6-34))復讐はワイングラスに浮かぶ (集英社文庫 (あ6-34))
(2008/08)
赤川 次郎

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::: サスペンス・ミステリ ::: ★☆☆☆☆


1983年に出版された、赤川作品初期のものです。
ほぼ絶版状態にあった本書が、集英社より新装版として再版されました。
80年代は、相当、赤川作品を読んでましたが、当時、新潮社系と文藝春秋系の赤川作品は、サラリーマンや、OLの主人公を中心とした短編小説が多く、好みではなかった。
実際、面白いとは思わなかったです。
なので、ノン・シリーズの短編集あたりは手付かずな作品が多い。
本書もその1冊。


全体的にミステリというよりは、サスペンスですね。
作品は、 産業スパイをテーマにした 『静かなる会議』 、 会社の男性社員に騙されたOLの復讐を描いた 『復讐はワイングラスに浮かぶ』 、 交際中の彼氏と別れる口実についた嘘が現実となり、殺人事件にまで発展していく 『別れ話にはコーヒーが似合う』 、 指定された日時に、絶対に雨が降らない場所を見つけなければならなくなった男性の話 『ある晴れた日に』 の4編。
『静かなる会議』 だけ、中編ですね。

どれも、サラリーマンやOLを描いた作品であり、大人向けと思うところだが、内容はエグくない。
今でこそ、R指定なんてよく耳にしますが、80年代にそんな規定はあるはずもなく、やりたい放題の割には、お子様でも気軽に読めそうです。
ただ、80年代の会社の世界と、現在とではかなりギャップがあるので、時代性を感じてしまいますね。
赤川作品は、流行(固有名詞)を作品に反映させない作家のようです。
必要なのは、普遍的なテーマであり、これは多作家の強力な武器でもあります。
道尾秀介の作品のように、敢えて流行を意識した作品を、20年後に読んだ時に、注釈がないと読めない状況にならないだけマシなのかもしれないが、それでも時代の流れの速さにはかなわない気がします。


内容としては、星1つという評価。
正直、面白くない。
本格的なミステリではないし、サスペンスとしても中途半端。
タイトルのインパクトが良いだけに、損している。
タイトル通り、復讐劇を中心にした短編集だったら良かったのだが、いまいち統一感がない。
タイトル作品にしても、恐ろしい血みどろの復讐劇みたいなのを想像してましたが、結構、甘いです。
そんなんでは復讐した気がしないと読者は思うはず。
というか、復讐のうちには入ってないとすら思える。

赤川作品の中では、 『孤独な週末』 という中短編集が非常に優れており、どうしても比較してしまうせいか、なんとも残念。
そもそも、サラリーマン(会社員)を題材にしたサスペンスやミステリに定評があるという赤川次郎ですが、世間で言われているわりには、わたくしは評価してないです。
非日常的な題材や、女の子ががんばる話の方が面白いし、売れているはず。
三毛猫ホームズにしろ、吸血鬼はお年ごろ、三姉妹探偵団や、泥棒と刑事が夫婦の話などなど。。。
やはり、生活臭溢れる作品よりも、夢のあるエンタメ系作品の方が良いですね。


内容ではいま一つですが、今回の新装版にあたっての装丁・デザインが面白いです。
少女漫画に登場してきそうな女の子が、ワイングラスを掲げているイラスト。
わたくしは存じ上げませんが、絵の作者は本物の少女漫画家(谷川史子)だと思います。
個性を感じないので、好意的に見られる絵柄。
簡単に言えば、よくある絵なんですけどね。。。
驚いたのが、普通、題字の方が大きく印字されているはずだが、本書の場合、どでかく印字されているのが、著者の名前。
“赤川次郎” が本のタイトルか? と思う人はいないという絶対的な認知度のなせるわざですね。(笑)
タイトルの方が、妙に小さく地味だったりする。
この手法どこかで見た事が。。。
少女漫画の雑誌の表紙と似ている。
しかも、レディコミ雑誌。
レディコミを意識した装丁なんですかね?
集英社らしいと言えばらしいですが。。。
レディコミ感覚で、20代、30代の女性に読んでもらいたいという戦略なんでしょうか。






(  ゚_ゝ゚) { 『ほんのちょっとしたこだわりを捨てれば、まるで見方も感じ方も変わって来るものですよ。』 ほんのちょっとが捨てられない。。。







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Bk.060 世界は破滅を待っている

23:58 Tue 22.07
世界は破滅を待っている (徳間文庫 あ 1-44)世界は破滅を待っている (徳間文庫 あ 1-44)
(2008/06/06)
赤川 次郎

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::: サスペンス ::: ★★☆☆☆



赤川次郎的、預言書。。。そんな言葉がピッタリの短編作品。
本書の初版は、1982年(文庫化は1984年)と、今から20年以上も前に書かれた作品。
これまで、改版もされなかった不人気絶版作品である。
そんな作品が、何故、今(2008年現在)、復刊を遂げたのか?
その理由は全て本書を読めばよくわかる。

正直、あらすじの内容を読んだだけだと、面白味を感じない作品であり、赤川作品大好きのわたくしでさえ、手に取ったことがなかったのだが、20数年ぶりの改版であり、タイトルのシュールさも気になり読んでみました。


ジャンルで言うと、サスペンス作品であり、20年も前に描かれた作品であるのに、今読んだら異様に現代の日本社会にマッチしているのには驚きである。
特に最初の短編 『コピールーム立入禁止』 は、現在の日本で問題になっている無差別殺人を暗示させる。
他にも、痴漢の冤罪事件を連想させる 『善意の報酬』 などなど。
日本社会の暗部を描くノンフィクション作品なのかと思うほど。
しかし、未来を見据えて書いたというよりは、20年前も、今も、変わっては無いのかもしれないですね。
20年前だって、少年犯罪や無差別殺人はあったと思いますしね。
通信の技術の発達や、社会秩序の変化も含めて、隠されていた事実が表沙汰になりやすくなっただけという気もする。
それでも、当時、ショッキングな内容やアイデアで読者を驚かせきた著者の作品が、現代では普通に有り得てしまう現状は、逆に、恐ろしく感じました。
















※ これ以降ネタバレしてます。









































赤川作品は、荒唐無稽という言葉がピッタリなほど、良く言えば、奇抜なアイデアの宝庫、悪く言えば、突拍子も無い非現実的な設定で有名である。
子供の頃はその大胆な奇抜さが面白かったのだが、年齢を重ねるごとに、リアリティや論理性を追求するようになる。
そうなると、赤川作品はSFかファンタジーのような夢物語としか思えなくなる。
おそらく本書を20年前に読んでいたら、馬鹿馬鹿しい、こんな設定あるわけないじゃんと一笑に付していたことだろう。
ところが、 『コピールーム立入禁止』 を読んだ時に、非現実的と思われていた作品が、現代的かつ現実的であることに気づかされる。
赤川次郎恐るべしである。

『コピールーム立入禁止』 は、サラリーマンが猟銃を武器に会社の社長を殺害しようと目論む話である。
殺しまでしようとしているのだから、社長に対する明確な動機が存在するのだろうと誰もが考えるところですが、怖いことにこれといった動機も無く、それどころか憎しみをぶつける対象者も決まっておらず流動的。
20年前だったら考えられないことだと思う。
事件を起こすには必ず、対象者とそれ相当の動機があって然るべきではないかと。。。
しかし、現代では動機無き殺人というのが増加している。
厳密に言えば、動機はあるのだが、それが一個人にではなく、社会全体という抽象的なモノに対してである。
無差別殺人を犯す犯人の心理が捉えどころがないのには、動機のあやふやさにあるんですね。
物語の背景も怖いくらい現代にマッチしているどころか、無差別殺人を犯す犯人の深層心理にも肉薄している著者の洞察力も素晴らしい。
以下の犯人の独白は必読だ。


“殺す側にとっては、社会全体が相手なんだ。
 だから、特定の人間を射っても、その瞬間には、社会全部を射殺しようとしてるんだ。
 その中には自分も入っている。
 他人(ひと)を殺すことで、自分自身も死ねるような気がするんだ。
 自分を含めた社会全部が、憎いんだ。
 人を殺したいとか、傷つけたいという心理とは、全然違う。”



一文一文が強烈な説得力を持っていると感じるのはわたくしだけではないと思う。
この犯人の深層心理を20年前に理解していた著者には驚嘆します。











(  ゚_ゝ゚) { 『人間ってのは一番醜い生き物さ。』 そう思えるだけ救われている。








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Bk.098 哀愁時代

01:08 Sat 08.12
哀愁時代 改版 (角川文庫 あ 6-509 赤川次郎ベストセレクション 9)哀愁時代 改版 (角川文庫 あ 6-509 赤川次郎ベストセレクション 9)
(2007/11)
赤川 次郎

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::: ラブ・サスペンス ::: ★★☆☆☆


赤川次郎ベストレセレクション第9弾です。
このシリーズは毎回欠かさず読んできてますが、出版社側も手抜かりはないようで、作品として評価が低いものばかり立て続けに出版してきますね。
ただそればっかりじゃ、読者に愛想を尽かされるのを危惧して、間にちょろっと良質な作品をまぎれ込ます、という姑息な手段を用いてますが。。。(´ー`)┌

わたくしにとって不良作品の代名詞とも言うべきなのが、 “恋愛” ものである。
赤川作品でもこの手の作品はこれまで1冊も読んだ事がなかった。
ただ、歯抜けの200ページということもあり、ガマンして読みました。(笑)
案の定、評価は限りなく低いものとなった。
単純に好みの問題ですからね。
ただ、作品の構成は非常に上手いと感じました。
読了後に、プロローグがとても重要だった事に気付かされる。
そういう意味では、叙述的な小説でもあるのでしょうね。


内容は、とてつもなく暗い。。。それに尽きる。
“恋愛サスペンス” というよりは、 “恋愛ホラー” といってもいいくらい暗い暗い。
暗いだけでなく、救いが全くないというところが痛い。
痛いというよりは、胸が苦しくなるほど。
全ての発端は、家庭の崩壊にあると言っても過言ではなく、カオス理論を地でいく感じです。
一度、悪い方へと転がりだすと、止めることも、方向を変えることも出来ない。
ヒロインに残された道は1つしかなかった。
悲しくも切ない、蜻蛉のような女性の物語でした。。。。゚(゚´Д`゚)゚。

なんちゃって♪











※ これ以降ネタバレしてます。





































世の中、羨望の的と呼ばれる人というのは星の数ほどいて、誰しも一度は、理想の女性像、男性像として憧れたことでしょう。
物語のヒロイン・雨宮純江もそうだった。
容姿端麗で誰からも好かれ、頼られる存在。
順風満帆の大学生生活を送っていたが、父親の浮気を機に両親が離婚、彼女の家庭が崩壊してしまう。
病弱で精神疾患のある母親の面倒を看るため、大学も中退し働く事に。
そんな彼女に縁談の話が持ち上がり、経済的にも楽になるかと思いきや、相手の男性の会社が倒産し、結婚の話も立ち消えとなる。
母親の自殺未遂、経済的な圧迫が重なり、純江は心の安らぎを親友の彼氏に求めてしまう。
そして、唯一、信頼していた叔父からの裏切りと。。。

父親が出奔してから、純江の人生は転落の一途を辿るのみなのである。
親友からは恋のキューピット役を頼まれ、父親からは病弱な母の面倒を押し付けられる。
誰かに頼ろうとした途端、その壁はあっさりと崩れ去ってしまう。
彼女の人生は常に、誰かに “頼られる存在” でしかなく、全てに絶望した人間が行き着く先は、死の世界しか残されていなかった。
これが、現代のずぶとい神経をした女性(普通の(笑))だったら、貪欲に生き残る道を模索するのでしょうが、純江にはその精神力は残されていなかった。
というか、心がまず先に死んでしまったのでしょうね。。゚(゚´Д`゚)゚。
彼女にはわかっていたんでしょう。
これから先、生き続けるということは、たった一人で、誰かに頼られる存在であり続けなければならないのだろうと。
そして、その苦しみを誰一人として、理解してくれる者もいないであろうと。
あまりにも、孤高過ぎたヒロインです。
そんな彼女にお似合いの死に場所は、やはり、美しい純白の雪の世界というところが涙を誘う。

本書で評価したい点は、冒頭で、死地へと向う直前の純江を描いているのですが、そのプロローグを最初に読んだ時と、読了後では、彼女の印象が逆転して見えることです。
プロローグでは、純江を目立たない、控えめな女性として描き、急ぎでもない仕事を残業までして行い、親しくもない上司をホテルに誘うなど、大胆で風変わりなヒロインという印象なのだ。
ところが、本書のラストからエピローグにかけてを読むと、プロローグは彼女が死地へと向う直前を描いていたことに気付かされる。
“プロローグ” は文字通り冒頭でありながら、エピローグでもあるという面白い趣向。
何故、純江が目立たない女性と描かれたのか、何故、上司をホテルに誘ったのか。。。
読了後に、はじめてその謎と、プロローグの重さが、ずっしりとのしかかってくる。
読者は余計に純江が哀れで、いじらしく思うことだろう。



本書を読んで、1つ感じたことは、家族がいて、姉妹がいて良かったと。。。つくづく感じましたね。






(  ゚_ゝ゚) { 『疲れた、と思った。 何もかもが、面倒くさい・・・。 このまま、もっと遠くへ、ずっとずっと遠くまで、行ってしまいたい。』 歳を重ねるほど、そう思う。








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Bk.046 探偵物語

14:04 Mon 09.07
探偵物語 改版 探偵物語 改版
赤川 次郎 (2007/06)
角川書店
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::: ミステリ ::: ★☆☆☆☆


赤川次郎ベストレセレクション第6弾です。

1983年に、薬師丸ひろ子と松田優作主演で制作された映画 『探偵物語』 の原作であり、絶頂期だった角川映画の人気作品でもあります。
しかし、わたくしは 『探偵物語』 どころか、 『セーラー服と機関銃』 すら観ていない。
というか、原作読んでいないという状態。
原田知世主演の 『愛情物語』 や 『早春物語』 も観てないし、読んでない。
ことごとく角川がプッシュする赤川作品はどうやら苦手らしい。(´ー`)┌
当時、映画が大ヒットしちゃっただけに、赤川次郎の代表作みたいな感じに思っている人もたくさんいるはず。
だが、赤川次郎ファンとしては、納得できなかったりする。
というか、何でこの程度の作品を映画化にできるのか!?
そっちのが不思議でならない。
赤川次郎の作品にはもっともっと面白いもの、名作がたくさんある。

改版に伴ない、改めて読んでみたが、その評価は自分で言うのもなんだが、酷い。。。
もしも、本作が映画化されて認知度が高くなっていなければ、星2つくらいにはなったはず。
それだけに映画化は、赤川次郎の価値を下げる作品として、今も尚、足を引っ張っているのだなぁと思えてならない。











※ これ以降ネタバレしてます。





































総評して、 “なんちゃってミステリ” ですね。
手慰みに書いた作品としか思えない愚作。
多作家にありがちな特徴なんでしょうね。
例えていうなら、ファミレスの飲み放題の薄められたドリンクってやつですね。
とはいうものの、1つの作品としての価値はとてつもなく低いけど、一応、ギリギリ商品化可能(?)っていうあやういところで体裁は整っているという。
内容が薄く、インスタントな作品だけど、コンスタントに提供できるのも才能のうちでしょうが、わたくしは絶対に買いませんけどね。(´ー`)┌


トリックにしても、ホテルの風呂場の喚起口づたいに、隣の部屋の風呂場に行き、相手を殺害してまた戻ってくる。
なんて、今日び2時間サスペンスでもありえないトリックですよね。
まぁ、1980年代の作品であり、今読むからそう思うのかもしれない。

何よりも赤川先生の描く、突拍子も無い人間性を持つキャラクターというのがすごすぎてついていけないです。
探偵・辻村の元女房っつ〜のが、人格破綻しているとしか思えない性格。
ヤクザに捕まって殺されるより、わたくしがその場で撃ち殺してやるよと思いたくなるほどムカツク女なのだ。
こういう常軌を逸したキャラクター性っていうのは、読んでる側としてはあまりにも現実離れしていて疲れるんですよね。
そこが面白いという読者もいるのかもしれないが、わたくしの場合は、こと人間描写においてはリアリティがないとダメですね。


本作をつまらないものにしてしまっている原因は、不自然なキャラクター設定や、主人公の直美がお金持ちってところにあると思う。
物語で主人公がなんらかの壁にぶち当たった時に、金で解決できる環境があると話にならないんですよね。
しかも、自分で稼いだ金でもなく、親の金をポンと1千万用意できちゃう設定だと、それこそ警察も探偵も必要ない。
ミステリーの面白さは、 “頭をとことん使う” ところにあるわけで、その楽しさが失われるような設定は、ミステリ作家としては手抜き以外の何者でもない。
読み手をガッカリさせてしまう。
本作にしてみたら、金持ちのお嬢様が、暇つぶしに金を湯水のように使い探偵ゴッコをしたお話、というレベルの陳腐な作品でしかない。
名作とは程遠い。








(  ゚_ゝ゚) { 『中年探偵と女子大生の五日間の物語!』 再読はないですね。








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Bk.045-プロメテウスの乙女

14:47 Sat 07.07
プロメテウスの乙女 改版 プロメテウスの乙女 改版
赤川 次郎 (2007/06)
角川書店
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::: サスペンス ::: ★☆☆☆☆


赤川次郎ベストレセレクション第5弾です。
赤川先生の作品は結構読んでいるわたくしですが、本作は初読です。

何で読まなかったのかというと、やっぱり普通にミステリが読みたいわたくしとしては、軍国主義だとか、テロだとか、軍隊だ、政治だというネタは好きではないんです。
今回、改版という機会があって初めて読みましたが、感想は。。。ですかね。(´ー`)┌
赤川先生、本作を書いている時、何か嫌なことでもあったんですかね?
そう思いたくなるほど、バンバン人を殺してます。(´ー`)┌
タイトルの華やかさとは異なり、その内容は暗く、重く、全くもって救われることがない。
赤川先生が社会的にメッセージ性のあるヘヴィーな作品を書くと、そのタッチが軽妙でユーモアがある作家だけに、すごく軽々しく感じられてしまうんですよね。
高見広春原作の 『バトル・ロワイアル』 とか、 水田美意子原作の 『殺人ピエロの孤島同窓会』 のような、殺人ゲームという幼稚さを題材にしたストーリーと変わらない。

評価の星1つは、内容よりも、体内に爆弾を埋めたテロリストというアイデアと装丁に。
今でこそ、 “自爆テロ” なんて言葉、子供でも口にするほど浸透してしまいましたが、1980年代の日本で、そんな発想ができる人がいたでしょうか。
また、軍国主義の近未来の日本を描いた点も、あながち夢物語とは言えなくなってきていることもあり、赤川先生の数ある名作の中で、早い時期に本作を改版刊行してきた意味を考えてしまいます。
もう一つ、装丁についてですが、物語でプロメテウスの乙女を強烈に印象づける小道具が、制服の赤いブレザーです。
その “赤” というビビッドな色彩を装丁でストレートに使わず、赤を連想させる物、リンゴや、ポスト、太陽、口紅、金魚などの絵をモノトーンで表現しているデザインが非常に良かったと思う。














※ これ以降ネタバレしてます。





































本作は、極端に偏りを感じる作品に思う。
特に殺害シーンだったり、ベッドシーンも異様に多いのが気になった。
どっちにしても “やりすぎ” ですね。(´ー`)┌
そういった余計な装飾を外して考えてみると、人権や表現の自由といった人間性を奪う軍国主義や、腐りきった政治の世界が本作では背景にあるのですが、それに限らず、社会的な大きな問題に対して、 “長いものには巻かれろ” 精神が根強く日本人の中にあることが恐ろしいと感じました。
1980年代に描かれた世界も、現代も何一つ変わっていない。
最初は常識的で人間性に溢れ、魅力的に感じられていた主人公の久仁子や、彼氏の重松も、悪しき時代の流れには逆らえず、マヒした人間性はその流れに心地よさまで感じていくようになる。
久仁子と重松というフィルターを通して、習慣性のマイナスの部分を徐々に見せていく構成はさすがです。

唯一の救いは、日本版(笑)ヒトラーとして描かれた滝首相を、まさに自爆テロ攻撃で久仁子が殺害して一件落着、だったはずなんですが。。。
彼女の父親でもあり武器商人の二宮が首相に成り代わり、独裁政治は続いていくというブラックなオチで締めている。。。
地面に着地できそうだったのに、新たな強風に巻き上げられ、再び混沌した時代を流される破目になるとは。。。(´ー`)┌
だが、昨今のハッピーエンドを求めがちな気風を吹き飛ばすようなラストには拍手である。
腰砕けのなんちゃって感動小説になるよりは、やるならとことんという気構えで素晴らしいと思う。
またこのラストには教訓を感じます。
自爆テロはもとより、暴力で暴力に対抗しても世の中は何も変わらないってこと。







(  ゚_ゝ゚) { 『どうしてこんな世の中になっちまったんだろう』 今も昔も変わらない。。。






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