::: ラブ・サスペンス ::: ★★☆☆☆
赤川次郎ベストレセレクション第9弾です。
このシリーズは毎回欠かさず読んできてますが、出版社側も手抜かりはないようで、作品として評価が低いものばかり立て続けに出版してきますね。
ただそればっかりじゃ、読者に愛想を尽かされるのを危惧して、間にちょろっと良質な作品をまぎれ込ます、という姑息な手段を用いてますが。。。(´ー`)┌
わたくしにとって不良作品の代名詞とも言うべきなのが、 “恋愛” ものである。
赤川作品でもこの手の作品はこれまで1冊も読んだ事がなかった。
ただ、歯抜けの200ページということもあり、ガマンして読みました。(笑)
案の定、評価は限りなく低いものとなった。
単純に好みの問題ですからね。
ただ、作品の構成は非常に上手いと感じました。
読了後に、プロローグがとても重要だった事に気付かされる。
そういう意味では、叙述的な小説でもあるのでしょうね。
内容は、とてつもなく暗い。。。それに尽きる。
“恋愛サスペンス” というよりは、 “恋愛ホラー” といってもいいくらい暗い暗い。
暗いだけでなく、救いが全くないというところが痛い。
痛いというよりは、胸が苦しくなるほど。
全ての発端は、家庭の崩壊にあると言っても過言ではなく、カオス理論を地でいく感じです。
一度、悪い方へと転がりだすと、止めることも、方向を変えることも出来ない。
ヒロインに残された道は1つしかなかった。
悲しくも切ない、蜻蛉のような女性の物語でした。。。。゚(゚´Д`゚)゚。
なんちゃって♪
※ これ以降ネタバレしてます。世の中、羨望の的と呼ばれる人というのは星の数ほどいて、誰しも一度は、理想の女性像、男性像として憧れたことでしょう。
物語のヒロイン・雨宮純江もそうだった。
容姿端麗で誰からも好かれ、頼られる存在。
順風満帆の大学生生活を送っていたが、父親の浮気を機に両親が離婚、彼女の家庭が崩壊してしまう。
病弱で精神疾患のある母親の面倒を看るため、大学も中退し働く事に。
そんな彼女に縁談の話が持ち上がり、経済的にも楽になるかと思いきや、相手の男性の会社が倒産し、結婚の話も立ち消えとなる。
母親の自殺未遂、経済的な圧迫が重なり、純江は心の安らぎを親友の彼氏に求めてしまう。
そして、唯一、信頼していた叔父からの裏切りと。。。
父親が出奔してから、純江の人生は転落の一途を辿るのみなのである。
親友からは恋のキューピット役を頼まれ、父親からは病弱な母の面倒を押し付けられる。
誰かに頼ろうとした途端、その壁はあっさりと崩れ去ってしまう。
彼女の人生は常に、誰かに “頼られる存在” でしかなく、全てに絶望した人間が行き着く先は、死の世界しか残されていなかった。
これが、現代のずぶとい神経をした女性(普通の(笑))だったら、貪欲に生き残る道を模索するのでしょうが、純江にはその精神力は残されていなかった。
というか、心がまず先に死んでしまったのでしょうね。。゚(゚´Д`゚)゚。
彼女にはわかっていたんでしょう。
これから先、生き続けるということは、たった一人で、誰かに頼られる存在であり続けなければならないのだろうと。
そして、その苦しみを誰一人として、理解してくれる者もいないであろうと。
あまりにも、孤高過ぎたヒロインです。
そんな彼女にお似合いの死に場所は、やはり、美しい純白の雪の世界というところが涙を誘う。
本書で評価したい点は、冒頭で、死地へと向う直前の純江を描いているのですが、そのプロローグを最初に読んだ時と、読了後では、彼女の印象が逆転して見えることです。
プロローグでは、純江を目立たない、控えめな女性として描き、急ぎでもない仕事を残業までして行い、親しくもない上司をホテルに誘うなど、大胆で風変わりなヒロインという印象なのだ。
ところが、本書のラストからエピローグにかけてを読むと、プロローグは彼女が死地へと向う直前を描いていたことに気付かされる。
“プロローグ” は文字通り冒頭でありながら、エピローグでもあるという面白い趣向。
何故、純江が目立たない女性と描かれたのか、何故、上司をホテルに誘ったのか。。。
読了後に、はじめてその謎と、プロローグの重さが、ずっしりとのしかかってくる。
読者は余計に純江が哀れで、いじらしく思うことだろう。
本書を読んで、1つ感じたことは、家族がいて、姉妹がいて良かったと。。。つくづく感じましたね。
( ゚_ゝ゚) { 『疲れた、と思った。 何もかもが、面倒くさい・・・。 このまま、もっと遠くへ、ずっとずっと遠くまで、行ってしまいたい。』 歳を重ねるほど、そう思う。
テーマ : 読んだ本。 - ジャンル : 本・雑誌