Bk.055 透明な檻

00:54 Thu 03.07
透明な檻 (光文社文庫 あ 1-110)透明な檻 (光文社文庫 あ 1-110)
(2008/06/12)
赤川 次郎

商品詳細を見る

::: サスペンス ::: ★☆☆☆☆



未読の本でした。
1991年に桃園書房から、ついで1994年に新潮社から、その後、14年という歳月を経て、2008年に光文社より改版文庫化されたので、図書館で借りてみました。
ものすごい気になったのが、14年という歳月ですよね。。。
赤川次郎といったら、日本の人気ベストセラー作家ですよ!?
その作家の作品が、14年間絶版状態というのもすごい。
が、常識的に捉えれば、かなり評価が低い作品だったとしか思えない。。。(´ー`)┌
しかも、90年代に入ってから、著者は人気作家としての宿命ともいえる多作状態で、作品の質がガクッと落ちてきた時代ですから、読むのにはかなり覚悟がいると。。。(笑)


感想は。。。よく、これで商品化できたなと思えるような劣悪な内容。
断っておきますが、わたくしは赤川作品大好き人間なんですよ。
大好きでも、庇いようが無いほどひどい。(´ー`)┌
14年間お蔵入りしていたのも納得できる。
光文社は、何故、この作品を再刊したんでしょうかね。。。?
現代の読者が求めていると思っているんですかね。。。?
図書館で借りておいて、ここまで酷評するのもいかがなものですが。。。

内容としては、ミステリではなく、サスペンス。
人が殺されて、犯人捜しというような内容でなはい。
妻と高校生の娘を持つ父親が、ちょっとした遊び心で不倫をしたが、その小さな火種のような罪に対する罰が、徐々に雪達磨式に膨らんでいき、全てを失っていくという破滅型ストーリー。
あらすじだけ読むと、どれどれと読んでみたくなるところだが、非現実的な展開に、奇妙奇天烈な人々、もはやSFと言っても過言ではない。(´ー`)┌
本を読みながら突っ込みたくなるのは、わたくしだけではないはず。














※ これ以降ネタバレしてます。







































随分なけなしようだが、あまりにも現実離れしているせいか、物語に集中できない。
普段なら、登場人物達と同じ線上で物語を追っていけるのだが、本書では俯瞰状態で客観視してしまうため、冷めた脳ミソで物事を考えてしまう。
特に、主人公の佐田という妻子持ちの男の心理や、行動がどうにも納得がいかない。
そもそも、高校生というデカい子供がいながら、今更浮気というのが普通じゃない。(笑)
子供のいない新婚とか、子供がまだ小さいとか、奥さんが妊娠中というシチュエーションならわかるし、元々、女性に節操がない男だったら、いくつになっても浮気癖は抜けないだろうと思えるが。。。
初不倫が、娘の担任の女教師で、学生、教師、父兄が参加している運動会でいちゃつくなんていう設定もひどすぎる。
さらに、不倫状態で満足よとか抜かしている不倫女の言葉を素直に信じちゃうまぬけっぷりも、3歳児並。
子供が出来ちゃったのと言われなかっただけミラクル。
他にも、ストーカーと化した浮気女に結婚を迫られ、仕事も家庭も失うほどの危機を何とか乗り越えたと思ったら、またもや別の女性と浮気。。。(゜ロ゜) !?
ありえないでしょうに。。。
全ての設定が強引なご都合主義で成り立っている構成はあきれるばかり。
父親や母親の乱れた生活を知った娘や、強姦魔に襲われた少女の描き方にしても、道端で転んだ程度の痛みしか感じられないようなもので、事件の重さと比較しても人間描写がかなり軽く、繊細さに欠ける。


読者に何を伝えたいのかはよくわかるのだが、如何せん、その表現の仕方が乱暴。
ストーカー行為で結婚を迫るような女が、避妊なんてしてるとは思えない。
しかし、妊娠させちゃうと、佐田の家族が完全に崩壊するしか道が無い。
物語の結末はそれでは困るので、強引な展開にならざるをえず、登場人物達の心理や行動の上で矛盾が生まれてしまう。
矛盾で済めばいいですが、わたくしにしてみたら奇怪? 奇異? そんな人々にしか思えませんでしたが。(笑)
本書では、仕事を失い、信頼も失い、家族も失いかけた男の再生ドラマをサスペンスタッチに描きたかったのだと思う。
雪達磨式に膨れ上がっていく、罪に対する罰を受けた報いは、本当の家族の “絆” の大切さを知ることだった。
家族の絆の尊さを訴えるには、悲劇的な部分を極端に描いた方が効果的だと思ったのかもしれない。
それにしても、何でもあり過ぎな設定は引きますが。。。











(  ゚_ゝ゚) { 『全く何物にも縛られていない人間が幸福かどうか。』 縛られていることを実感してるからこそ、幸福と感じられるのかも。








テーマ : 読んだ本。 - ジャンル : 本・雑誌

 BLOG TOP