Bk.005 葉桜の季節に君を想うということ

15:42 Thu 27.01
葉桜の季節に君を想うということ 葉桜の季節に君を想うということ
歌野 晶午 (2003/03)
文藝春秋
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::: ミステリ ::: ★★★☆☆


『射精したあとは動きたくない』

冒頭の一文から既にわたくしは著者の罠にかかっていた。。。
といったら○○な方には失礼なんでしょうね、きっと。 (´ー`)┌
2004年版 『このミステリーがすごい!』 第1位を獲得した作品。
図書館でお借りしました。 すみません。

本作のトリックを見破るには、主人公・成瀬の回想「ヤクザ探偵成瀬将虎」のエピソードが非常に重要だ。
とはいうものの、わたくしのように冒頭から読者は騙されること間違いないですよ。
この章で本作が叙述トリックを仕掛けるつもりだということはわかるんですが、何故、この章の存在が必要だったのか? 読んでる時は全くわかりませんでした。
しかし後の時間(?)トリックに必要な伏線は、この章に集約されているといってもいいかも。
とにかく正当な本格とは言えないが、構成や伏線の張り方、トリックは、抜群にうまいと思いました。










※ これ以降ネタバレしてます。




































冒頭で主人公のキャラクター設定が成されていないにも関わらず、読者は文章や話し言葉などで、勝手にキャラクターを創ってしまう。
著者はその想像性や固定観念を逆手にとり、気づかれないよう読みやすくスピード感ある文体でストーリーを進める。
頃合を見て、回想での主人公や節子の年齢を公開することで、読者をミスリードさせてしまう。
思い起こせば、トリックはわからないが、何故、主人公はあんなにも老人を食い物にする悪徳商法の会社に憤怒するのか?
とか、何故、めちゃめちゃ体を鍛えてることをアピールしておきながら、あっさり骨折するのか?
と、怪しい〜と思える描写は、ちょこちょことあった。
一番、不思議に思ったのが、ヤクザ社会の描写だった。
現代でヤクザといったら、暴力団のことだが、とにかく描写が昭和初期か?
と思うほど表現が古く極道映画っぽいノリなんだよなぁ〜 (´ー`)┌
また、キャラクター達の “思考” はすごく現代的なのですが、 “言葉” で発するとすごく古くて違和感がずっとあった。

最後に結末を知った時は、 『アアッー!!』 という驚愕よりは、『エエッー!?』 っていう個人的には落胆の方が大きかったかも。
トリックの意外性とチャレンジ精神は脱帽ものですけど、ちょっと残念だった。
80年代生まれの若者が70代になれば、きっとそうなんだろうなぁ〜とは思えますけど。
本作のトリックが成功した理由は、若者が老いた自分を想像できないというところに着眼したからでしょうね。
裏を返せば、わたくしたちが老人の心理や思い、生活を理解できていれば、老人にやさしい社会となり、悪徳商法なんてものは存在しないんだという皮肉にも聞こえます。
あと、大変面白い作品なんですが、映像化は無理だろうなぁ〜という気がします。
SF(ファンタジー)として創ろうとおもえば創れそうですけど。。。 (´ー`)┌

ちょっといただけなかったのが、本編の最後に 『補遺』 として、読者からのクレーム等に備えて(?)の注釈ページがあったことでしょうか。
注釈がなかったらクレームが殺到するんだろうなぁ〜とは思いますが、“補遺” じゃなくて、 “弁解” にも取れるのですっきりしない。
たしかにアンフェアと言われる内容だとは思いますが、トリックの意外性を考えると、わたくしは特に問題視しませんけどね。

トリックを知ってから、もう一度読み返してみるのは面白いかもしれません。
装丁デザインが京極夏彦って。。。 妖怪好きで、和服着て、グローブ嵌めてるアノ?








(  ゚_ゝ゚) { 『人生の黄金時代は老いて行く将来にあり、過ぎ去った若年無知の時代にあらず。』 大車輪かますじぃさんのCMを思い出しました。。。







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