Bk.022 トリックスターズ L

02:34 Tue 19.02
トリックスターズL (電撃文庫 (1174))トリックスターズL (電撃文庫 (1174))
(2005/11)
久住 四季

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::: ミステリ・ファンタジー ::: ★★★☆☆


“トリックスターズ” シリーズ第二弾です。
今回は、本格ミステリではお馴染みの、いわゆる “嵐の山荘” ものでした。

城翠大学魔学部一年生の天乃原周(あまのはらあまね)と三嘉村凛々子(みかむらりりこ)、彼らの客員教授・佐杏冴奈(さきょうしいな)が、佐杏の旧友でもある魔学結社オズの天才魔術師、サイモン・L・スミスクラインの魔術実験に協力するため、宮古郊外にある、魔学部付属研究所に出かける。
ところが、実験室で殺人事件が起きる。
現場である実験室は密室状態であり、さらに、研究所事体も人の出入が不可能な環境にあった。
いかにして犯行を成し遂げたのか? そして犯人は研究所内の人間なのか?


デビュー作と比べると、かなりマシ(笑)になった作品に思う。
大抵、シリーズ化された作品というのは、1作目が1番良いというのが相場ですが。
著者はどういう意図で書いたのかわかりませんが、わたくしには本格ミステリーをしよう、したいという気持ちが感じられた。
印象が良かっただけに、魔術といったファンタジーにしないで、普通にジュブナイル系のミステリを書いても良い作品が出来るんじゃないかと思える。
というのも魔術がどうのこうのって解説だけは立派なんですが、実践される魔術があってもなくてもどうでもいいようなものばかり。
魔術をお披露目するシーンも極端に少ないしね。

ミステリに関しては、アイデアは奇抜で良かったと思う。
奇抜というか、奇想天外というか。。。
しかもそれを思い切りよく捨て去るところがいい。
だが、事件の真相が、 “事件が始まる前” から簡単に予想できてしまった点が最悪だったりする。
“L” というタイトルもヒントになりましたしね。。。(´ー`)┌
わたくしごときにオチを読まれる。。。これほど甘くわかりやすいミステリーは無いと思う。。。











※ これ以降ネタバレしてます。




























5番目の魔術師、サイモン・L・スミスクラインが、実は、魔術師ではなかったという真実。
そして、彼の変わりに魔術を使っていたのが、彼の妹、ジュノー・L・スミスクラインだったという真相。
本書を読んだ人のほとんどが、その真相を事件が起きる前から予測していたと思う。
まず、彼らのミドルネームが “L” でどちらも同じで、過去の飛行機事故の話も含めて、わたくしは、一心同体とか、どっちのLでも同じ、というイメージを強く受けた。
タイトルでもわざわざ強調しているし、いつも妹は兄に付き添っているという発言からも、もうこの時点で、本当の魔術師は妹の方なんじゃないかと疑ってました。。。(´ー`)┌
結果的に予想通りだったので、拍子抜けという感じでした。
ですが、サイモンが他殺(魔術師)ではなく、自殺(ただの人)だったという事実をごまかす為、兄の誇りを守る為、殺人を犯したジュノーの動機も、自殺したサイモンの心理もまた納得できる。
肝心のオチがよめてしまっているミステリなので、評価が落ちるとこですが、サイフォンの原理を利用した突拍子もない密室トリックは、端からありえないとわかっていても面白かったことと、殺害動機に納得がいかないミステリが多い中、本書はホワイダニットが光っていたので、甘く評価してみました。


本書の特徴として、何か事件が起きた時、調査し、推理を発表するのが天乃原周なのですが、彼女は探偵役ではなく、語り手であり、ワトスン役なのである。
真打の名探偵は魔術師で、天乃原らの教授・佐杏だ。
いわば、猿回しの猿と、その猿使いのようなもの。(笑)
天乃原の推理(謎解きやトリックの解明)は、実は、1つの可能性でしかなく、現実はもとより、物語(フィクション)の中でも無理がありすぎるとんでもトリックだ。
その為、普通に常識を兼ね備えている読者には見破るのが難しいだろう。
だが、読者の目くらましに使うだけなのに、無駄に派手で大仰なトリックは面白いと思う。
後に続く真相をより衝撃的かつ効果的に見せるのに、十分なミスディレクションだといえる。
モノを壊すときは、手元から落とすのではなく、頭の上までひょいと持ち上げて落とした方が、その破壊力が増すのと同じですね。
何も知らずに意気揚揚と持ち上げ役をこなしているのが天乃原というわけです。
佐杏先生にしてみれば、名探偵による犯罪劇の幕引きを劇的に行うための舞台演出なんですね。(笑)









(  ゚_ゝ゚) { 『事実は客観だが真実は主観。』 どう感じるかはあなた次第ってやつですね。。。







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Bk.008 トリックスターズ

00:42 Sat 12.01
トリックスターズ (電撃文庫)トリックスターズ (電撃文庫)
(2005/06)
久住 四季

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::: ミステリ・ファンタジー ::: ★☆☆☆☆


“トリックスターズ”シリーズ第一弾です。
読んでしまって、失敗。。。?
ラノベとしては稀な、本格テイストのミステリという評価を期待して読んだのですが、好みの作品ではなかった。。。( ̄〜 ̄)

魔術と推理小説の融合が成功しているようには到底思えない。
ハリポタとホームズを足して割った感じです。
というか、魔法とミステリの融合としては、明らかにハリポタの方が上だと思う。
魔術と歴史を上手く混ぜ合わせたり、魔術に関する詳細な設定は、日本人が好きそうなほど、チマチマ(面倒臭いともいう)していて、ハリポタのいかにも子供向けみたいな設定よりも綿密だ。
だけど、個人的には、ミステリとしての面白さ、本質を考えた場合、ハリポタの方が、魔法を上手にミステリの中に組み入れられていたと思う。
無駄に複雑な設定よりも、シンプルでトリックがわかったときに驚きが大きい方が好みだなぁ。
それと、正直、ミステリ好きとしては、今更な使い古された “読者を騙す手法” を用いられても新鮮さはない。
著者本人は、ミステリを読まない人なんですかね?
読みこなしていたら、フェイクとして利用するのは別として、堂々とメイントリックとして使わないと思うのですが。。。











※ これ以降ネタバレしてます。




























全体的な印象からいうと、作品事体が、恐ろしいほどに幼稚だった。
キャラ同士のくだらない口喧嘩にしても、ちゃん付けし合うネーミングセンスのないあだ名とかさ。。。
正直、現代の大学機関で、魔術を学問とみなした学部があるという設定自体に引いた。。。
フィクションだってことは百も承知だが、小説でごっこ遊びしているような情けなさを感じた。
端から本書を買う気はサラサラなく、図書館で借りて大正解だったと言える。

抽選で選ばれたはずのゼミの生徒(6人)が、何で女性ばかりなのかとか、警察が爪の先ほども役に立っていないなど、突っ込めばきりがない。
中でも、1番気になるのが魔術そのものが学部として成立する理由とか、そんな学部を選択した生徒が将来どう社会に貢献していくのかといったような事は敢然と無視。(笑)
そのくせ、魔術そのものに関しては、気持ち悪いくらいに詳細な設定があったりする。
こんな中途半端な設定になるくらいなら、ハリポタのように魔法そのものを完全に認めた方が潔いし、ミステリとしてもフェアに書ける気がする。

本書では、魔術を認めておきながら、なんだかんだ理屈をつけて、結局のところ魔術で出来ない事の方が圧倒的に多い。
魔術で出来る部分にしても、現代の科学力や、技術力を持ってすれば可能だったりする。
ちなみに、今回のハウダニットの根幹でもある人間の外見をコピーすることが出来る能力は、魔術で実現可能なのに、箒に乗って空は飛べないという方のが明らかにおかしいだろうと思える。
空を飛ぶ方がどう考えても実現し易いじゃないか。。。
魔術で出来ること、出来ないことの境界線が非常に曖昧(アンフェア)。
アナグラムも強引。
大仰な語り口ばかりが目立ち、それこそ詐欺っぽい作品ではあるな。。。(笑)


ミステリーに関しては、フーダニットもハウダニットも叙述的なトリックもバレバレで悲しいくらいです。(´ー`)┌
セキュリティーシステムが万全な構内に、何の痕跡も残さずに犯行の為の細工出来る人間って、理事長くらいしかいないだろうに。。。
しかも、人間をそっくりコピー出来る能力を持った魔術師(アレイスター・クロウリー)までいるときたひにゃ。
真犯人とトリックも見破れるってもんだ。
ひどいのが、事件が起きた魔学部の屋上の隣の建物から、凛々子に催眠をかけて、顔を切り裂かれたように細工したなんていうオチは知りたくなかったですね。。。-y( ̄Д ̄)。oO○
凛々子をコピーした犯人(アレイスター)が屋上に上がって、凛々子に成りすましたというフェイクのトリックの方がまだマシ。
そして、 “ぼく” こと天乃原が “女性” だったという叙述的なオチもムカっとくる。
それやったからって何なの?(怒)
事件との関連性があるならまだしもね。。。(´ー`)┌
きちんと魔術のルールを決めてくれないとフェアとは言えず、次巻を読むのがツラいなぁ。
読む気でいるのか。。。(笑)










(  ゚_ゝ゚) { 『これは推理小説を模った現代の魔術師の物語――。』 っつか、誰が見てもペテン師ですけどね。。。







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