Bk.039 狐火の家

15:40 Fri 02.05
狐火の家狐火の家
(2008/03)
貴志 祐介

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::: ミステリ ::: ★★☆☆☆


“密室=不可能犯罪の原点に戻りホラー、サスペンスなど、バラエティ豊かな中編集” 

という著者の言葉通り、密室を中心にした女弁護士と防犯探偵の中編シリーズです。
1作目は、長編 『硝子のハンマー』 でした。
正直、このシリーズ化は無いだろうなと思っていた。
それほど、防犯のノウハウが事件に密接に関わっているとは思えない点と、何よりも、探偵役の2人に魅力を全く感じられなかったから。
ありていの言葉で言うなら、 “中途半端” な人物造詣なわけです。(´ー`)┌

内容的にもホラーテイストの 「狐火の家」 をはじめ、サスペンスな 「黒い牙」 と、バラエティに富んでいるのは良いのですが、密室がポイントであるようなフリの割には、これを密室と呼ぶべきなのか? みたいな密室とはいえないような状況ばかり。
さんざん、あれはどうだ、これはどうだと執拗に続く謎解きの検証なんか必要ないじゃんと思いたくなるほど。
この謎解きの仮説の提示と却下のリピートは、ほんとイラッとする。
前作の 『硝子のハンマー』 では長編だったことと、後半から倒叙形式に移行したりと、構成の点でも変化があったので、我慢できたのですが、中編でこれをやられると、イラッを通り越して、ムカッですね。。。(´ー`)┌


「黒い牙」 や 「犬のみぞ知るDog knows」 なんかは、サスペンスの中に笑いを作っている場面もあるのですが、これがまた失笑なんですよ。。。
笑えないし、逆に寒い。。。
探偵役のキャラが全く立っていない状態なので、せめて、笑いぐらいあればなんとかなったかもしれないが、何をしても滑ってカラ回りという感じですね。(´ー`)┌
ミステリとしても、とくに 「黒い牙」 は犯行方法としては、現実性を著しく欠くので評価ができない。
個人的に良かったと思うのは、 「狐火の家」 ですかね。
ホラー・ミステリとしてはすごく良かったと思う。
死体の隠し場所など、発想が奇抜でしたし、古い家屋が持つ不気味さみたいなのがよく表現されていたと思う。
「盤端の迷宮」 も悪くはないが、将棋をテーマにしたミステリでは、他の作家の優秀な作品があるので、それと比べてしまうとどうしても見劣りがしてしまう。


正直、出版社が何故、このシリーズ化を決めたのか理解に苦しみます。
何度も言いますが、キャラをどうにかしてくれ。(笑)










(  ゚_ゝ゚) { 『「硝子のハンマー」でおなじみの女弁護士と防犯探偵が密室の謎を暴く!』 馴染んでない。






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Bk.009 硝子のハンマー

22:19 Thu 03.03
硝子のハンマー 硝子のハンマー
貴志 祐介 (2004/04/21)
角川書店
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::: ミステリ ::: ★★★★☆


今時珍しい密室トリックミステリで、徹底してハウダニットにこだわっています。
しかも孤島だとか館だとか、制約があり限定された場所でなく、都会のビルの一室でも可能とは驚きです。
4年もかけた大作になるはずですよね。
トリックを必死になって解こうとする読者も大変だが、作家も輪をかけて大変だ。
お疲れ様でした。










※ これ以降ネタバレしてます。




































本作の特筆すべき点は、構成力でしょうか。
一部で犯行のトリックを弁護士・青砥純子と、防犯コンサルタント・榎本径が検証します。
いくつもの可能性を模索するが、新たに持ち上がる事実に対してその仮説を断念したり、またはさらに新たな仮説を生み出したりと、コロコロと展開が変わります。
短気なわたくしとしては、しつこいくらいに何度も何度も行われる検証はちょっとくどいかなと思いました。
漸く結論に辿り着いた! と思ったら、いきなり物語が変わります。
二部は驚くことに、犯人側からの視点で描いた倒叙形式をとっているのです。
謎解きか? と思われた瞬間からの反転劇なので、それまで高っていたテンションが急降下。。。
頭を一旦切り替えて、新たな物語(二部)を読み始めるのは結構つらかったが、犯人の動機、心理、行動、犯行までの計画を読んでいる間はすごく面白かった。
しかし二部の構成自体は、前作 『青の炎』 に酷似している点が目新しさを感じませんけど。


物語に重要な犯人役を探偵役と接触させなかったり、エキストラのような形で登場させるという点でいくと、アンフェアであり本格とは言えない。
その為、介護ザルや介護ロボット、秘書や副社長の性格・行動をうまく操って読者をミスリードさせようとしている。
著者のことだからその怪しさを逆手に取って、いつトリックを仕掛けてくるのか用心してしまいます。 (´ー`)┌
綿密に計画的に立てた犯行の割には、実行時のリスク(音や目撃者、遺留品)を考慮してなかったり、殺害動機が弱かったりするのが気になりました。
探偵役の榎本が泥棒さんでなかったら、完全犯罪になった可能性は高いのですけどね。 (´ー`)┌
あと、トリックを限定させるようなタイトルはどうなんでしょう?
タイトルごときで見破られるようなことはないという著者の自信なのか?
また、ちょっと専門的知識を多用しすぎてる気はしないでもない。
これが著者の持ち味だということはわかるし、描写力が上手なので読みやすいのですが、たまにはライトなミステリも書いて欲しいなと思います。


キャラクターに関しては、防犯コンサルティングを経営している榎本は、登場時から怪しい雰囲気がありました。
結果的にその怪しさは泥棒さんだったんですけどね。
犯行を見抜く鋭い観察眼と回転の速い頭脳、ロッククライミングで鍛えた身体と行動力は魅力的なのですが、容姿に関しては色白で繊細な細面、そして大きな目って。。。
顔と身体が一致しないんですけどね。 (´ー`)┌
弁護士の青砥純子も頭がキレるのか、美人かどうなのか。。。?
などなど、トリックについてはものすごく勉強してたわりには、キャラ設定はずさんな気がします。
ラストで次回作を予見させるような内容でしたが、個人的にはシリーズ化されて、魅力的なキャラに成長してくれたらと期待です。
気になるのが、榎本の泥棒としての非合法的な能力を物語でどれだけ利用するのか? です。
読み手としては、容疑者の家を盗聴、侵入して物証を集めたり、犯行の事実を確認するのは、事件解決への手段としてスマートではなく、最優先されるべきは、論理的な思考による解決ですよ。










(  ゚_ゝ゚) { 『現実世界のハッカー』 モノはいいようだね。






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