Bk.063 黙の部屋

23:52 Tue 22.07
黙の部屋 (文春文庫 お 26-8)黙の部屋 (文春文庫 お 26-8)
(2008/07/10)
折原 一

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::: サスペンス ::: ★★☆☆☆


実在の画家・石田黙の作品や存在自体の謎をモチーフに、叙述トリックの名手が描いた絵画サスペンス。
半分、石田黙の作品紹介であり、残り半分はサスペンス小説という、ある意味コラボ小説といってもいいかも。(笑)


わたくしは絵画ミステリ、美術ミステリといった作品が好きである。
ダン・ブラウンの 『ダ・ヴィンチ・コード』 や、 A.P.レベルテの 『フランドルの呪画』 、飛鳥部勝則の 『殉教カテリナ車輪』 といった作品を読んだことがある。
なので、絵画や美術品の薀蓄や歴史を交えたミステリに抵抗感はない。
そうでない人は、ただひたすらに面倒臭い作品に思えるかもしれない。(笑)

ただ、本格的なミステリと異なる上に、著者の個性でもある叙述的な手法も身を隠しているといった状態なので、著者の作品を初めて読むという方にはお薦めしかねる。
著者の作品を割りと読んでいるわたくしですら、著者のこれまでの技量を考慮しても、500ページという大作にしては、謎解き部分が2時間サスペンスもどきだったのが残念に思える。
それには石田黙という画家の作品に魅力を感じられなかったことが大きく影響している。
あの絵のどこがいいのかさっぱりわからない。。。















※ これ以降ネタバレしてます。







































折原一といえば、ねばっこくいやらしい性描写が有名(笑)だが、本書ではそれも陰を潜めている。
さすがに、実在の画家を取り上げて、現実と虚構の境を行き来しているような作品なだけに、画家の身内サイドに対する配慮だったのかと思えてならない。(笑)

面白かったのが、主人公の編集長が、ネットオークションで、石田黙の絵を競り落とそうと躍起になるシーン。
ネット上での、素性の知れない相手との熾烈なバトルがかなり笑える。
わたくしはネットオークションの経験はあまりないのですが、紙面での必死さがかなり伝わる描写は折原一ならではだと思う。








(  ゚_ゝ゚) { 『黙、黙、黙、おまえはいったい誰だ?』 ネーミングセンスは面白いが。。。







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Bk.048 疑惑

15:44 Thu 12.07
疑惑疑惑
(2007/06)
折原 一

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::: サスペンス・ミステリ ::: ★★☆☆☆


久しぶりに著者の作品を読みました。
時事ネタというか、ワイドショー的な事件ネタをモチーフにした短編集。

インクルード作品は、オレオレ詐欺に狙われた老婆の話 『偶然』 、引きこもりの息子が放火犯!? 不信を抱く母親の話 『疑惑』 、列車で隣同士になった女(バラバラ殺人の犯人)との心理戦を描いた 『危険な乗客』 、父親の財産を手中に収めようと殺人計画を立てる男の話 『交換殺人計画』 、オレオレ詐欺、リフォーム詐欺、騒音おばさんをミックスした、最大級(?)の災難に巻き込まれる老人の話 『津村泰造の優雅な生活』 
番外として、石田黙という画家の作品をテーマにした 『黙の家』 の6編。
スペシャルとしてエッセイがついてます。


作品の出来としては、ダントツで 『偶然』 が1番良いと思う。
『偶然』、『津村泰造の優雅な生活』 は、内容的に酷似してることと、総合的に考えて星2つという評価。
ただどれも言えるのが、ラストはブラックなオチになっている。
折原一らしいネタ、展開、オチです。
これが長編だと最後まで楽しめるのですが、短編で同じパターンの繰りかえしという感じもあり、『偶然』 で著者の手法がわかると後は大概、犯人だったり、事件のカラクリが読めてしまう。
著者独特のネチっこい性描写も少ないので、折原一の作品を読んだことが無い人には最適な作品だとは思います。












※ これ以降ネタバレしてます。





































・『偶然』

本作の中では最高の出来だと思います。
何が最高かというと、仕掛けがいたってシンプルなこと。
大金をタンス貯金している老婆の家で家政婦をしていた女が、その金欲しさに老婆を殺害する。
逃げようとした矢先、家の前に不審な黒い車が停車してしまい、出るに出れない状況に追い込まれる。
たまたま掛かってきたオレオレ詐欺の電話を利用して、老婆殺しの犯罪を彼らに押し付けようと一計を案じるとういもの。
詐欺師が素人に騙されるというコン・ゲーム的なストーリーが面白い。
女はまんまと大金を持ち逃げすることに成功するが、自分の身替わりとなったバカな詐欺師が、実はその女の息子だったというブラックなオチがまたいい。



・『疑惑』

1話目の『偶然』で著者の手法を理解すれば、『疑惑』も本当の放火犯が誰かがわかる。
真面目の良い子ちゃんの妹に疑いの目を向けたくなる。
本のタイトルになっている割には、面白味のない作品。



・『危険な乗客』

オチの前にどんでん返しがあり、それがあるから最後のオチが面白いのだが、それまでの過程が盛り上がらない。
隣同士になった女2人の描きわけができていないので、読んでいてどっちがどっちだかわからなくなってくる。
面倒になって飛ばし読みしてしまいます。。。(´ー`)┌



・『交換殺人計画』

これのオチがいまいちピンとこなかったんですけど。。。
親父の殺害計画が当の本人に筒抜けで、実行日の前日に親父が雇った殺し屋に殺されてしまう息子。
不意打ちを食らったと思ったら、実は息子の方が一足早く手を打っていたってことがオチなんですよね。。。?
息子は既に、交換殺人を実行していたから、息子が死んだことを知らない相手の殺人犯が、親父を殺しにきたって意味だと思うのですが。。。
交換殺人で後攻を選んでいたら、親父に殺されずに済んだんでしょうね。(´ー`)┌
正直、このオチのどこが面白いのかわからなかった。。。



・『津村泰造の優雅な生活』

大筋な内容としては、『偶然』とほとんど変わらないんですが。。。
老人が詐欺に合い、それを見事返り討ちにするのだが、その過程で本当の息子をオレオレ詐欺と思い込み、東京湾に捨てて、魚のエサにしてくれ、なんて言ってしまい、本当に暴力団に殺害されてしまうという話です。
ネタが『偶然』とカブっているので、せめて騒音おばさんとか、ゴミ屋敷の老人、違法にガラクタ屋敷建造するおっさん、中傷おばさんといったキ印人間ネタで書いて欲しかったです。。。



・『〈ボーナス・トラック〉黙の家』

石田黙という画家をモチーフにした作品。
ミステリーとかサスペンスというよりは、ブラックな幻想小説っぽい感じです。
決して面白いとは思えない作品。
『黙の部屋』 という著者の作品を先に読んでいた方が楽しめたのかもしれないです。











(  ゚_ゝ゚) { 『日常の裂け目から這いのぼる悪意の炎』 悪心ってやつですね。







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Bk.036 偽りの館 叔母殺人事件

23:14 Wed 24.11
偽りの館 ――叔母殺人事件 偽りの館 ――叔母殺人事件
折原 一 (2004/09/28)
講談社
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::: ミステリ ::: ★☆☆☆☆


当然のごとく、図書館で借りました。
新刊が出ると読みたくなるんですが、最近はオッと思うような作品がない。
ミステリなのに違った意味で騙された気がする。。。 (´ー`)┌

著者は叙述トリックの鬼とでもいうべきか?
これでもかと読者を引っ掛けるべく、てぐすね引いて準備してるんですが、用意されたタネが、気持ち悪い登場人物、古びた洋館、天井裏、手記と設定がワンパターンです。
もうこれしか書けないのか? それともこれも作戦のうちなのか?
わかりませんが、著者を知ってる読者はだまされるもんか! と用心に用心をして読みます。
しかし、最後の最後で騙されるんですよねぇ。。。 アラ不思議。










※ これ以降ネタバレしてます。




































本作は、前半のうちで見抜けるほど全体的なトリックは浅いです。
トリックが浅いということは、物語自体複雑でないので手軽に読めます。
それでも細かい部分では騙されますけどね。
難しいのは人間関係でしょうか。
登場人物はたったの6人なんですが、この6人がごちゃごちゃに入り乱れます。
もちろん読者の頭の中で。
いち早くその人間関係を整理できた人が、全てのトリックを見抜けるのでしょうが、どこかで著者の仕掛けた罠にハマること間違いないです。 (´ー`)┌

読み終わって、登場人物の叔母さんと男のモデルは、ヒッチコックの映画 『サイコ』 に登場するキャラクターを連想するくらい、イメージが重なりました。
ラストで一件落着にみえた事件ですが、これからが始まりなのだよと示唆しているようなピリオドの仕方はうまい。
著者はほんと気味悪いキャラクター、下品なセックス描写、叙述トリックにかけては天才的だね。









(  ゚_ゝ゚) { 『 お、ば、さ、ん。 な、ん、だ、い? 』 って、気持ち悪いんだよ、初めから終わりまで。







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Bk.020 101号室の女

11:57 Sun 15.08
101号室の女 101号室の女
折原 一 (2000/07)
講談社
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サスペンス・ミステリ ::: ★★☆☆☆


サスペンス短編集。
叙述作品を得意とする折原さんですが、短編だけはやめたほうがいいよ。。。
全9編のほとんどがネタばれしてます。
読んでるうちに結末が想像できてしまう。
トリックが浅いです。
しかし、叙述作品を初めて読む方には、楽しめるかもしれません。


あえて挙げるならば、『101号室の女』、『石廊崎心中』、『恐妻家』 が良かったと思います。

表題作の 『101号室の女』 は、映画 『サイコ』 のパスティーシュでおもしろいです。
『石廊崎心中』 はネタばれしてたのですが、サスペンスとしては良いと思います。
『恐妻家』 は、『笑うセールスマン』タッチで笑えます。

全編通して、軟弱でアホっぽい男の登場率が高いです。











(  ゚_ゝ゚) { 『このタコ、英語を訳すんだ!』 大爆笑です。





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