::: サスペンス・ミステリ ::: ★★☆☆☆
久しぶりに著者の作品を読みました。
時事ネタというか、ワイドショー的な事件ネタをモチーフにした短編集。
インクルード作品は、オレオレ詐欺に狙われた老婆の話
『偶然』 、引きこもりの息子が放火犯!? 不信を抱く母親の話
『疑惑』 、列車で隣同士になった女(バラバラ殺人の犯人)との心理戦を描いた
『危険な乗客』 、父親の財産を手中に収めようと殺人計画を立てる男の話
『交換殺人計画』 、オレオレ詐欺、リフォーム詐欺、騒音おばさんをミックスした、最大級(?)の災難に巻き込まれる老人の話
『津村泰造の優雅な生活』 。
番外として、石田黙という画家の作品をテーマにした
『黙の家』 の6編。
スペシャルとしてエッセイがついてます。
作品の出来としては、ダントツで 『偶然』 が1番良いと思う。
『偶然』、『津村泰造の優雅な生活』 は、内容的に酷似してることと、総合的に考えて星2つという評価。
ただどれも言えるのが、ラストはブラックなオチになっている。
折原一らしいネタ、展開、オチです。
これが長編だと最後まで楽しめるのですが、短編で同じパターンの繰りかえしという感じもあり、『偶然』 で著者の手法がわかると後は大概、犯人だったり、事件のカラクリが読めてしまう。
著者独特のネチっこい性描写も少ないので、折原一の作品を読んだことが無い人には最適な作品だとは思います。
※ これ以降ネタバレしてます。・『偶然』本作の中では最高の出来だと思います。
何が最高かというと、仕掛けがいたってシンプルなこと。
大金をタンス貯金している老婆の家で家政婦をしていた女が、その金欲しさに老婆を殺害する。
逃げようとした矢先、家の前に不審な黒い車が停車してしまい、出るに出れない状況に追い込まれる。
たまたま掛かってきたオレオレ詐欺の電話を利用して、老婆殺しの犯罪を彼らに押し付けようと一計を案じるとういもの。
詐欺師が素人に騙されるというコン・ゲーム的なストーリーが面白い。
女はまんまと大金を持ち逃げすることに成功するが、自分の身替わりとなったバカな詐欺師が、実はその女の息子だったというブラックなオチがまたいい。
・『疑惑』1話目の『偶然』で著者の手法を理解すれば、『疑惑』も本当の放火犯が誰かがわかる。
真面目の良い子ちゃんの妹に疑いの目を向けたくなる。
本のタイトルになっている割には、面白味のない作品。
・『危険な乗客』オチの前にどんでん返しがあり、それがあるから最後のオチが面白いのだが、それまでの過程が盛り上がらない。
隣同士になった女2人の描きわけができていないので、読んでいてどっちがどっちだかわからなくなってくる。
面倒になって飛ばし読みしてしまいます。。。(´ー`)┌
・『交換殺人計画』これのオチがいまいちピンとこなかったんですけど。。。
親父の殺害計画が当の本人に筒抜けで、実行日の前日に親父が雇った殺し屋に殺されてしまう息子。
不意打ちを食らったと思ったら、実は息子の方が一足早く手を打っていたってことがオチなんですよね。。。?
息子は既に、交換殺人を実行していたから、息子が死んだことを知らない相手の殺人犯が、親父を殺しにきたって意味だと思うのですが。。。
交換殺人で後攻を選んでいたら、親父に殺されずに済んだんでしょうね。(´ー`)┌
正直、このオチのどこが面白いのかわからなかった。。。
・『津村泰造の優雅な生活』大筋な内容としては、『偶然』とほとんど変わらないんですが。。。
老人が詐欺に合い、それを見事返り討ちにするのだが、その過程で本当の息子をオレオレ詐欺と思い込み、東京湾に捨てて、魚のエサにしてくれ、なんて言ってしまい、本当に暴力団に殺害されてしまうという話です。
ネタが『偶然』とカブっているので、せめて騒音おばさんとか、ゴミ屋敷の老人、違法にガラクタ屋敷建造するおっさん、中傷おばさんといったキ印人間ネタで書いて欲しかったです。。。
・『〈ボーナス・トラック〉黙の家』石田黙という画家をモチーフにした作品。
ミステリーとかサスペンスというよりは、ブラックな幻想小説っぽい感じです。
決して面白いとは思えない作品。
『黙の部屋』 という著者の作品を先に読んでいた方が楽しめたのかもしれないです。
( ゚_ゝ゚) { 『日常の裂け目から這いのぼる悪意の炎』 悪心ってやつですね。
テーマ : 読んだ本。 - ジャンル : 本・雑誌