::: サスペンス・スリラー ::: ★★★★☆
本の整理を兼ねての再読。
初めて選んだ折原一の本が本作であり、その偶然のチョイスが良かった。
第48回日本推理作家協会賞長編賞を受賞した、彼の代表作でもある。
折原一は、叙述ミステリを得意とする作家であり、その網の目のように張り巡らせた巧みな構成は、多くの日本人作家の中でも随一だと思う。
わたくしは、本作で折原作品が好きになり、ほぼ全作品を読んでます。ヽ(゚∀゚ )ノ
過去に本作を一度だけ読んだ薄れた記憶の中では、面白い本だったことと、ジャンルはミステリだと思っていたのですが、再読するにあたり、その印象も大分違っていた。
特にジャンルは、確かに殺人事件は起きるのですが、それを真面目に推理して解くという本格的なミステリではなく、その効果を利用した、サスペンス・スリラーであること。
内容に関しては、サスペンス性が高く、読者を引きつける趣向が凝っているので、寝る間も惜しんで読みたくなることは間違いない。
ただ、彼の他の作品と比べると、比較的物語の核心、犯人や、叙述トリックが露呈しやすいように思える。
叙述トリックを駆使したミステリというのは、内容が複雑なので、読む方もかなり頭を使いますし、最後のオチを読むまでに挫折してしまう人も多いと思いますが、彼の作品の中では、本作はとても読みやすいですし、総合的にバランスが取れている作品なので、折原一の入門書としては1番適していると思います。
※ これ以降ネタバレしてます。“イジメ” 問題が日本中で波及している中で、偶然にも読んだ本が、イジメに関わる殺人ミステリというのも、不思議な偶然だった。
田舎の中学校の3年生のクラスで起きた、
“粛清” というイジメ。
20年後に彼らの同窓会が開かれることとなった。
そんな彼らに復讐という名の、殺人計画が水面下で練られていた。。。
と、中学時代のイジメが発端で、殺人事件にまで発展していくという恐ろしい物語です。
今の陰湿なイジメの状況を考えると、フィクションとは言えないリアリティを感じます。
それだけでなく、 “恐怖新聞” や “同窓会通信” といった小道具は、子供っぽいアイデアだなとは思うが、サスペンス性を高めるには効果絶大だったりする。
中だるみすることなく、読者を引きつける過去と現在が交錯する構成は圧巻。
ただ、ミステリとしての部分が、簡単なので拍子抜け。
殺人犯が誰であるか? とか、 教師・仁科の女房が誰か? とか、その子供は誰の子か? なんて、核心部分はすぐにわかると思う。
突っ込まずにいられないのが、秋葉拓磨だろう。
どう考えても、粛清なるイジメがあったクラスの同窓会なんて、普通やりたいなんて誰も思わないはず。
なのに率先して幹事をやりだす時点で、こいつが全ての元凶だなと思わざる得ない。
こいつ1人のお陰で、3人も殺され、関わった人間の人生すべてに狂いが生じたのだから。
人の皮を被った悪魔っていうのは、こういうヤツのことを指すのだろう。
そういう迷惑な人種に限って、同窓会をやろうなんて言い出すんだから、全員でまず、こいつを粛清すべきだったよね。。。(´ー`)┌
( ゚_ゝ゚) { 『粛清!』 イコール死刑。。。?
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