Bk.075 耳をふさいで夜を走る

17:07 Sat 23.08
耳をふさいで夜を走る耳をふさいで夜を走る
(2008/06/17)
石持 浅海

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::: サスペンス・クライム・ミステリ ::: ★☆☆☆☆



あまり当たりはずれがない作品が多い著者ですが、今回ばかりははずれもいいところだ。
あらすじと、内容があまりにもかけ離れ過ぎていて、詐欺かと思う。
“サスペンス溢れる、本格的犯罪小説” というよりは、官能小説かと思えてならない。(笑)
事あるごとに股間がどうのと、シモに走るので、うんざりというか呆れる。
著者は欲求不満なのだろうかと思わずにいられない。

ただ、作品事体の発想の着眼点は素晴らしいと思う。
思うが、いちいちシモを持ち出すことに必然性を感じないのと、主人公の男が3人の女を殺す動機に説得力が無い。
主人公が殺さなければならない切羽詰った状況でもない。
大義名分を振り回しているわりには、警察に逮捕されないよう完全犯罪を目論んでみたりと、一貫性が無い。
それと、誰かに説明してるのかのように、長々と殺害手順を書いているのだが、手順通り殺害が実行されないどころか、いきあたりばったりの成り行き殺人になってしまっていて、今まで読んだのは一体なんだったのかと腹立たしく思う。

動機にしても、登場人物の造形や人間描写にしても、恐ろしいほどに下手くそ。
主人公は警察に逮捕されないよう、あれこれ知恵を絞るのですが、親しい人間が5人も6人も殺されている事実を目の前にして、まず疑われないわけがないと思うのですが、それどころか証拠が無いだけで、警察や社会的にも完全なクロ扱いになることは間違いない。
それでも安全圏内にいると思ってる主人公はどう考えても不自然。
全てにおいて破綻しまくっている。
東野圭吾あたりなら、もっと上手く書けたのかもしれない。。。














※ これ以降ネタバレしてます。







































“覚醒” という言葉をちらつかせ、なんだかSFチックに始まった序盤ですが、読めば読むほどにエロ小説にしか思えない展開に突入する。
人を殺す度に勃起する変態な主人公に、感情移入など出来るわけも無く、ミステリどころか、物語としても読めないゲテモノ小説。

たった1点褒められるとしたら、SF小説でありがちな殺人アンドロイドを、生身の人間で創り上げたということか。
いわゆる暗示的なもので、3人の女性の正常な精神を破壊し、彼女らに関わった人間を不幸にするというプログラムを組み込まれた人の恐ろしさを表現したかったのかもしれない。
しかし、彼女らの行動が殺害するほどの脅威に感じられなかったせいか、主人公にとっても殺害動機が薄れてしまっている。
それと、シモネタがどのように物語りに関係しているのか、さっぱりわからない。
いまいち何がしたかったのかが伝わらない。

新境地にして、大失敗としか思えない。
本書を踏み台にして、より優れた犯罪小説を書くか、二度と手を出さないか。。。
次回作が気になるところです。










(  ゚_ゝ゚) { 『アルラウネは引き抜いて、枯らしてしまわなければならない。』 耳をふさいだところで、どうにもなるものでもないが。。。







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