::: エッセイ ::: ★★★☆☆
初めてかもしれない、小説家のエッセイを読んだのは。。。
ミステリ作家・有栖川有栖センセのエッセイ集。
今まで、作家の内面を知ってしまうと、生活感をモロに実感してしまって、その後、小説(フィクション)を読む時の妨げになるかもしれないと、エッセイ等は読まずにいた。
既に、数冊のエッセイを出版されてますが、どれも読んでいない。
しかし、本作の内容が生活に身近なカルチャーに関することだったので、気になって読んでしまいました。
『正しく時代に遅れるために』 という逆説的なタイトルが面白い。
というか、インパクトがある。
時代に遅れないということが、主流になってしまっている日本ですが、流行を追うこと、常に最先端で居続けることっていうのは、逆に言えば、常に過去を見続けていなければ成り立たないことでもある。
良いモノは必ず時間を超越(ワープ)する。
超越した先で、期せずしておきた変革が、また本格として流れていくとしたら、それもまた先端であると言えるかも。
感想は、読んで良かったと、まずはホッと一安心しました。
雑記、映画、小説、文化について、半ページ程度に短く纏められていて、とても読みやすかった。
これを機に、他のエッセイも読みたいと思いました。
読んでいて1番感じたのが、著者と意見が合うというか、感性が似ていると思ってしまった。
たかがわたくしなのに。(o゚c_,゚o) プ
好きだから似たのか、似ていたから好きになったのか。。。
どっちだろ。。。?
※ これ以降ネタバレしてます。有栖川センセの小説というのは、本格ミステリであり、 “殺人” をテーマに、誰が、いつ、どのようにして犯罪を犯したのかを、脳みそを総動員して創り上げ、読者に解かせるパズルである。
こう書くと、殺伐とした、不謹慎な小説に思えるが、それに反して、彼の小説というか、文章はとてもソフトで、エレガントなのである。
なので、わたくしの中での彼の勝手なイメージは、とても落ち着いた、平安貴族のようなおっとりした人。
でした。。。小説の中だけなのかと思いきや、エッセイでもそのイメージは変わらない。
はずだった。。。よくよく、考えてみれば、人殺しの本を書く人が、おっとりしていると言えるだろうか?
フィクションとはいえ、あの手この手で、登場人物達を血祭りにあげていくんだぞ?
しかも、堂々と読者に、 “さぁ、この謎を解いてみろ” と、仕掛けてくるのだから。
大胆で、自信家で、挑戦的(ユーモアがある)な人ではないか。
そうなのだ。
彼が綴る文章は、優雅であっても、性格は想像していたのとはちょっとだけ違うよう。
本文「時代遅れということ」や、「ワイルドで行こう!」を読むとよくわかる。
ハードロック好きで、B’zをカラオケで熱唱し、ボーリングで男気を見せるのである。
い、意外だ。
想定外にもほどがある、かなり男らしい男ではないか。
わたくしの中の優男像が、ぐわしっと音立てて壊された感じです。(´ー`)┌
こんな面白く、笑えるエッセイばかり書いているわけではもちろんないです。
真面目な事を、真面目に書いている、生真面目さんでもある。(アタリマエダケド)
しかし、ご本人はどうなのかわかりませんが、わたくしが受けた印象は、本心で語っている部分と、そうでない部分(いわゆる大人の事情ってやつ)がある。
気がする。 あくまでもわたくしの主観ですけど。
ただ、物書きとしての彼は、とても厳しい。
本格ミステリの未来を真剣に憂いていたり、時に痛烈に批評もする。
そんなエッセイを読んでいるうちに、なるほど、そうかそうか、それで彼の中にある明と暗は、それぞれ2人のキャラクターに投影されているんだな。
などと、勝手に想像しちゃいました。(´ー`)┌
特にオススメのエッセイは、 「六段階の距離」 、 「オススメされる私」 、 「時代遅れということ」 、 「ワイルドで行こう!」 かな。
「オススメされる私」 は、WEBサイト・Amazonの自動的に本を薦めるシステムについて書いているのですが、タイトルもそうだけど、着眼点がミステリ作家らしくて面白いです。
( ゚_ゝ゚) { 『たかが私なのに。』 自虐と謙遜の間。
テーマ : 読んだ本。 - ジャンル : 本・雑誌