Bk.053 密室の鎮魂歌(レクイエム)

02:55 Sun 22.06
密室の鎮魂歌 (創元推理文庫 M き 5-1)密室の鎮魂歌 (創元推理文庫 M き 5-1)
(2008/05/10)
岸田 るり子

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::: ミステリ ::: ★★☆☆☆


2004年、第14回鮎川哲也賞を受賞作品。
“鮎川哲也賞=本格ミステリ” という公式は、そろそろ訂正しなければいけないようだ。

本格らしいコードに乗っ取っているのだが、本格で売るにしては言葉は悪いが卑怯な印象を受ける。
ミステリというよりはサスペンス。
鮎川哲也賞に応募しなくてはならず、仕方なく、無理にミステリにしたという感じが拭えない。
本書は密室連続殺人事件に、スリーピング・マーダー、暗号解読と、あらすじにあるように、“魅力的な謎” が待ちかまえている。
しかし、どれも読者が素直に納得できる伏線や解答が得られない。
よく2時間サスペンスにありがちな、最後の最後の謎解きで、犯人を特定するのに重要な証言や証拠をいきなり出してくるような感じです。
後だしはずるいよ。。。
デビュー作品ということもあり、ミステリに関しては評価は甘く星2つですかね。

著者の特徴は、女性の強欲さ、傲慢さ、情念そういった怒りにも似た、どろどろのマイナスの感情を、生々しく描くのが上手い作家だと思う。
とにかく嫌な女、底意地の悪い女が3人も登場してくるので、ムカムカしながら読んでました。(笑)
まるで 『渡る世間は鬼ばかり』 の脚本家・橋田壽賀子級ですね。
その反面、探偵役でもある女性が毒が無さ過ぎ。
普通過ぎてキャラが立っていない。
よもや、シリーズ化などしないとは思いますが、万が一にも考えていたら、味の無い、色の無い、このキャラは変更しないと無理ですね。













※ これ以降ネタバレしてます。






































これを本格ミステリと言われてしまうと困る。
5年前に起きた失踪事件と、その後同じ家で起きた密室殺人には、被害者を含め、4人の男女が複雑に絡んでいる。
失踪事件では、篠原由加と友人の高木太一が由加の夫・鷹夫を毒殺する。
ゲイで鷹夫を愛していた一条哲が、復讐に高木を密室にして殺害する。
さらに、女流画家・新城麗子の作品が盗作であったことが、一条に見抜かれた麗子は、彼の店で一条を殺害する。。。
それぞれに殺害の動機があり、個々の事情で殺害を実行しているというのが本書の特徴。
読者としては、単独犯、もしくは1人の共犯者がいるかもくらいのスタンスで読んでいるのだが、犯人も動機も複数にされてしまうと、ずるいでしょうに。。。(´ー`)┌
被害者が加害者でもあるとなると、もはや謎解き不可能。
また、殺害方法に於いても、何が何でも密室にする必要性はあるのでしょうか?
しかも、その密室トリックが一条がスペアキーを持っていたから。。。なんてオチはひどすぎる。
一条殺しの密室は、実は隠し部屋があったと、後から発見される展開も噴飯もの。
警察が介入して、密室状態での殺人事件としているのに、隠し部屋を探さないわけないだろうにと思う。
一条がスペアキーを持っていた理由として、彼と鷹夫の関係性が浮上してくるが、その伏線というのが、お互いの背中に彫った刺青の図案であり、しかも、キリシャ語で書かれた文字を解読しろなんて。。。
一般人には到底無理です。
さらに、一条殺しに関しては、誰がどうやって殺害したのかが曖昧で終わってしまっている。
麗子の娘の証言だけでは説得力がない。

また、いざ謎解きとなると、探偵役である麻美が真相を語るはずが、その大部分を一条の手記に書かれていることを犯人の麗子と由加に読ませるだけという肩透かしの解決。
本来であれば主人公の麻美が、真相を追究し謎解きするのがセオリーなんですが。。。


殺害方法を含めて、ミステリの構成が驚くほど雑で下手。
ミステリが好きで書いた人の作品とは思えない、完成度の低さ。
著者の場合、女性同士のどろどろ愛憎劇を主体にしたサスペンスが基本であり得意なんでしょう。
将来的には、ポスト・桐野夏生という感じはします。
今後、どういう作品を発表していくのかわかりませんが、ミステリだけは手をつけない方が良いのは。。。








(  ゚_ゝ゚) { 『汝、レクイエムを聴け』 タイトルもいまひとつ。






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