::: ミステリ ::: ★★☆☆☆
わたくしは、SMAPのメンバー、キムタクのファンではない。
彼をかっこいいと思ったことすらない。
しかし、そんな彼を大絶賛する時がある。
それは、彼が “人真似” をする時だ。
田村正和演じる、古畑任三郎や、ジョニー・デップの当たり役、ジャック・スパロウ、イケメンマジシャン・セロなどなど。。。
とにかく、人真似が上手い。上手すぎる。
本書の著者、霧舎巧にもそれに通じるものを感じました。
本書は、新本格ミステリーを代表する7人の著書のパスティーシュ本。
作品順に、まずは綾辻行人、法月綸太郎、我孫子武丸、歌野晶午、倉知淳、山口雅也、ラストに有栖川有栖と、堂々たるメンバーをパスティーシュしまくってます。
というか、もどいてます。(笑)
しかも、そのもどき具合が、キムタクの人真似のように、巧妙にして巧緻。
もどかれた作家の作品を知っている人は、いっそう本書を楽しめることは間違いないでしょうね。
わたくしの場合、知っている作品とそうでない作品が半々。
本書では、作品を知っていることが前提で書いている場面もある為、知らない人が読んだ場合、残念ながら楽しさは半減するでしょうね。。。
本書の魅力は、1冊で3つの楽しみ方が出来るという点。
1つは、著者自身の連作短編ミステリとして、2つ目はパスティーシュ本として、そして3つ目は、本格ミステリのガイド本として。
自分も含め、ミステリ小説に詳しくないとか、どの作家の、どの作品を読もうか迷っている人も多いと思います。
そういう時に、このもどき本はかなり便利かもしれない。(笑)
1冊のミステリとして楽しめ、さらに、他作家の作品も試し読み出来る。
試し読みといっても、あくまでも
“っぽい” 作品ですけどね。(笑)
※ これ以降ネタバレしてます。企画としても、ミステリ小説としても評価は出来るので、星3つでも良かった。
しかし、個人的には好みの作品ではなかった。
そんなに読みづらいわけでもなかったんですが、集中力がすぐに途切れてしまうんですよね。。。
それだけ、物語に引き込むだけの力が無かったということなんですかね。
それと、登場人物に魅力を感じなかったことも大きい。
連作ミステリとしての全体的なプロットでも、謎解きを最後に無理やり詰め込んだ感じがした。
次回作があるんでしょうかね。。。
もう1つ難を言えば、装丁デザインが最悪です。(´ー`)┌
とてもじゃないが、お金を出してまでも買いたいとは思わない。。。
物語は、原因不明の記憶喪失患者として入院中の吉田さん(仮)は、暇さえあれば外出許可を取り、ミステリマニアのマスターが経営するカレーショップ・牧場に出かける。
吉田さんのお目付け役として、看護師の上岡エリが付き添うが、そこで数々の奇妙な事件に巻き込まれる。
すると、何故かマスターのカレーを食べていた吉田さんが、突如として名探偵(毎回異なる人物)に変身。
難事件を解決しようと推理を巡らせる。
『三、四、五角館の殺人』競作ミステリの執筆のため、三角館、四角館、五角館にそれぞれ籠もった三人の作家。
そのうち南井くるみが殺害される。
三人の作家が残した未完成の作品から、犯人を特定する重要なヒントが隠されているというが。。。
『二、三の悲劇』グラビア・アイドル、桜川美弓が自宅で死んでいるのが発見される。
現場の状況から、自殺と思われていたが、殺害現場の不可解な痕跡から他殺と断定される。
浮上した4人の容疑者の中に犯人がいると、吉田は推理するが。。。
『人形は密室で推理する』腹話術師が自宅の鍵のかかった室内で、背中を刺され殺害される。
腹話術師の傍らには、腹話術の人形が倒れており、その手に殺害に使用されたナイフが握られていた。
密室殺人であり、しかも犯人は人形だという。。。
『長い、白い家の殺人』エリの姉・姿子から救援の電話を受けたエリは、吉田らと共にある劇場に向う。
中毒症状を起こしていた姉を病院に搬送すると同時に、劇場の楽屋では火災が発生し、2人の女性が亡くなる。
放火の疑いがあり、殺人事件へと発展していく。。。
『雨降り山荘の殺人』雨降りの里でウェイトレスをしているエリの姉から、レストランにくる奇妙な客の話を持ちかけられる。
その謎を解くため、吉田らは雨降りの里へ向う。
そこで、ミステリ・ウォッチャーなる怪しげな人物と出逢う。。。
『13人目の看護師』パラレルワールドを舞台にした病院内で、殺人事件に巻き込まれたエリ。
事件は夢の中の出来事なのか?
彼女は本当に吉田を殺害したのか?
『双頭の小悪魔』新興宗教団体に拉致された娘を救出して欲しい─。
雨降り山荘のオーナーからの依頼により、露影村に向う吉田ら。
その拉致事件の謎に、吉田が深く関わっていたことが明らかになる。
事件と吉田の謎が一挙に解かれる最終話。
以上7編ですが、わたくしのオススメは、 『三、四、五角館の殺人』 と、 『13人目の看護師』 ですかね。
作中作や、叙述的なトリックがとても良かったと思う。
この手の作品は、一度だけでなく、二度目に読むのも楽しいですからね。
( ゚_ゝ゚) { 『人は催眠術を使わないほうが、人を操ることが出来るんだ。』 盲点でしたね。。。
テーマ : 読んだ本。 - ジャンル : 本・雑誌